スウォッチグループの撤退が時計産業にどんな影響を及ぼすのか
世界最大規模の時計と宝飾品の見本市「バーゼルワールド2019」開始!
スイス バーゼルにて、世界最大規模の時計と宝飾品の見本市「バーゼルワールド2019」が開催された。会期は3月21日から26日まで。
スウォッチグループの撤退が、時計産業にどんな影響を及ぼすのか
今年の一番の話題は、スウォッチグループがバーゼルワールドの出展を見合わせたことだ。スウォッチグループといえば、オメガ、ブランパン、ブレゲ、ハミルトン、ラドー、ティソ、スウォッチなどの時計ブランドの経営だけではなく、時計のムーブメントを製造し、国内外のメーカーに供給している。
そもそも1917年に「スイスの見本市」としてスタートし、当初は時計だけではなくチーズやチョコレート、刃物なども出展されていたイベントが成長して現在のバーゼルワールドの形態になったが、およそ100年の間には時計業界には、大きな波乱があった。
例えば有名な1960年代後半の通称「クオーツ・ショック」。セイコーが発表したクオーツムーブメントによって、機械式ムーブメントよりも正確な時刻を刻むことができるようになった。
このクオーツショックが、スイスの3大産業のひとつである時計産業にザラキーマばりの打撃を与えたため、国家経済があやうくなり、独立して経営していた各社を再編してできたのが、ざっくりいうといまのスウォッチグループである。
バーゼルワールドにおける各社時計メーカーの配置は、まるでスイスにおける時計業界の力関係を凝縮したようなわかりやすさがある。
つまり昨年までは、中央の華々し位置にドーンとスウォッチグループが集まっていたが、撤退によりブース配置を見直さざるを得ない状況になった。
そこで、これまでは一般来場者の目の届かない場所に存在していたプレスルームが中央に配置され、建物内だがさながらオープンエアカフェのような状態になっていた。
会期終了後に、主催者から正式な出展者数や来場者数などが発表されるだろう。見本市の運営と時計ビジネスは同じ話ではないが、2019年がひとつの転機として時代に記されることは間違いない。
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