定格電圧での動作にこだわったG-GEARメモリ
DDR4-2933やDDR4-3200での動作を実現
アスキー編集部:それではG-GEARメモリについてお聞きします。そもそも、G-GEARメモリを開発するに至った経緯はどのようなものなのでしょうか?
嶋野氏:昔、弊社のメモリーモジュールがTSUKUMOさんのeX.computerに採用されていたのですが、その後、取引が途切れてしまいました。正直、弊社のメモリーモジュールはバルク品に比べると高価なのですが、相性で困ることがなく、どのようなマザーボードでも動作します。そういった弊社製品の付加価値をTSUKUMOさんには再度ご評価頂き、センチュリーマイクロのメモリーを再び取り扱って頂くことになりました。その流れでG-GEARブランドでセンチュリーマイクロの技術力の高さを示せる製品を扱えないだろうかという事になり、専用のメモリーモジュールを共同開発することになりました。
アスキー編集部:G-GEARメモリはどのようなメモリーモジュールなのですか?
嶋野氏:弊社は、どの環境でも標準仕様で動作しないことには製品の価値がないというポリシーでオーバークロックメモリーをつくってきませんでした。しかし、今回、TSUKUMOさんという信頼できるパートナーを得まして、DDR4-2933やDDR4-3200で動作するオーバークロックメモリーを開発しました。
アスキー編集部:ズバリ、G-GEARメモリの特徴はなんでしょうか?
嶋野氏:今回のG-GEARメモリでこだわった点は動作電圧ですね。動作電圧を上げると高いクロックで動作しますが、それだけメモリーへのダメージも大きくなってしまいます。そこで弊社は、動作電圧を変えずにどこまで動作クロックを高くすることができるかという点に挑戦しました。その結果、定格はDDR4-2666のDRAMを使用していますが、定格電圧のまま、DDR4-2933での動作をサポートしています。XMP使用時は、サポートの対象外になってはしまいますが、DDR4-3200での動作が可能です。
アスキー編集部:G-GEARメモリの開発で苦労した点は何でしょうか?
中沼氏:最初、弊社にあったマザーボードで検証したところ、オーバークロック設定では全く動作しないマザーボードがありました。それはなぜかと原因を探ってみると、マザーボードによって解釈できるCas Latency(以下、CL)などのSPDの内容が異なっていることが判明しました。そこで、どのマザーボードでも動作するような仕様を探っていく点が苦労しましたね。
アスキー編集部:ありがとうございました。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう