TwitterとInstagramに多い「#勉強垢」タグを解説
インスタ映えする勉強写真が乱舞する「勉強垢」の世界
TwitterとInstagramに多い「勉強垢」
「勉強垢」というものをご存知だろうか。Google Trendsを見ると、2015年頃から徐々に使われるようになった言葉だ。勉強専用のアカウントという意味であり、主にTwitterやInstagramで運用されることが多い。
10代女子を対象としたプリキャンティーンズラボの「SNSの勉強アカウントに関する調査」(2018年1月)によると、勉強の様子をSNSに投稿したことがある割合は28.6%と約3割。勉強専用の勉強垢を作成する子は20.5%と2割だが、勉強垢を自発的に見る子は47.9%と約半数に上った。
今回は勉強垢の実態と活用法、メリット・デメリットまでを見ていきたい。
インスタ映えする勉強写真!?
最初に勉強垢が流行ったのは、Twitter上でのこと。Twitter上では、「#勉強垢」「#勉強垢さんと繋がりたい」「#勉強垢さんとつながりたい」などのハッシュタグを付けて投稿したり、「祐子@勉強垢」など名前に勉強垢と名付けていることも少なくない。
学年や得意科目、苦手科目、志望校などを明記しての利用することが多いようだ。一日の学習時間、目標などを投稿したり、他のユーザーと励まし合う姿が見られる。
「Studyplus(スタティプラス)」という学習を記録したり、学習時間を管理できる学習アプリがある。こちらとTwitter連携して投稿している割合も高いようだ。このようなアプリを使い慣れているからこその勉強垢なのだろう。
一方Instagramには、「#勉強垢」のタグが執筆現在およそ108万件投稿されている。こちらの場合は、文房具や自分でまとめたノートなどの写真が投稿されることが多い。説明文欄で学習内容や悩みなどを書いている例も多く、コメント欄で励まし合う姿も見られる。
同時に使われるタグとしては、朝にInstagramを更新することを指し、主に学習内容などを投稿する際のタグ「#モニグラ」が7万件、夜版にあたる「#ヨルグラ」は6万件、その他「#レッツゴーカク」が8.6万件などとなっている。興味深いことに、海外でも勉強垢は存在するようで、「#studyaccount」は34.3万件、「#studygram」が367万件ヒットする。
勉強垢のメリット、デメリットは?
勉強垢のメリットは、仲間と励まし合うことでモチベーションを保つことができたり、学習時間が記録できて自信がつくことなどだろう。また、同じ目標を持つ仲間で情報交換ができる効果も期待できる。
一方、デメリットになる場合もある。インスタ映え写真を撮ることや勉強垢同士で交流し過ぎるなど、本末転倒な状態になることもあるためだ。「いいね」やフォロワー数、コメントのやり取りは重要ではなく、あくまで志望校合格などの目標達成が主眼ということは忘れずに利用してもらいたいもの。
勉強垢は、SNSによるプラス効果が期待できる活用法の1つ。子どもだけでなく、大人の勉強垢もあり、学習に対する効果は高そうだ。SNSの新たな使い方としてチェックしてみてはいかがだろうか。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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