強化ガラスパネルを採用しながらも7000円とお手頃
PS15は強化ガラスのサイドパネルを採用したMicroATX対応PCケースだ。サイズ192(W)×351(D)×381(H)mmのミニタワー型ながら、最大240mmラジエーターの簡易水冷クーラーや最大314mmのビデオカードを搭載できるスペースを備える。それでいて、実売価格は7000円前後とお手頃だ。
案外できぬこのひと工夫・・・!
また、この価格帯では珍しい細かな配慮がなされているのもいい感じだ。まず筆者が気に入ったのは天面に備わるホコリ侵入防止用のメッシュが、しっかりとしたマグネットを採用している点。安っぽいケースでは挟み込み式で固定具合が弱かったり、マグネットでも磁力が弱かったりするものもあるが、PS15はかっちりくっついている。
ビデオカードスロットを固定するためのカバーが、ネジをゆるめて開放するスライド式になっているところも素晴らしい。物理的な意味でも重量級なビデオカードが増えてきた昨今、スロットの固定方式はなるべく強固なものが好まれるが、何度も取り外しては付け替えるヘビーユーザーにとってはカバーの固定方式が煩雑なのは面倒だ。そういう意味でこのスライド方式はしっかり固定できて、なおかつサクッと脱着できるので気が利いていると言える。
地味な話ではあるが、こういったひと工夫が低品質ケースでは案外できぬものだろう。
とはいえ、スロットカバーについてはいただけない部分も。最上部以外は上や下にぐりぐりしてねじきるタイプなのだ。まあ、とはいえ「グラボなんてそう何度も取り替えねーよ!」という人にとってはなんてことのない話かもしれない。
また、下部の電源ユニット設置スペースには振動防止用のインシュレーターを搭載。ホコリ侵入防止用メッシュ(こちらは挟み込み式)も当然付いており、お手頃価格ながら及第点をさらりと飛び越えてくる。
一方で、申し訳程度に1基備わる3.5インチシャドウベイのトレイのつくりは弱々しく、「そうだ。これは7000円のケースだった」と現実に引き戻される。
このアンビバレンツな感情が自作er魂をくすぐる。もちろん、すべてに満足したいのなら出すものを出してハイエンドな製品を買えばいいわけだが、足りていない状況を知恵と工夫、そしてほんのひとさじの妥協でなんとか飲み込むのも自作erのあるべき姿ではなかろうか。
そう、3.5インチシャドウベイのつくりが信用ならないのなら、いっそ使わなければいいのである。あるいは軽量な2.5インチSSDを使えばいいのだ。いまどきのSSDはTBクラスが1万円台でゴロゴロしているので、なにも重量感のあるHDDを無理して使う必要はない。
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