週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

AQUOS サウンドパートナー AN-SX7

開発6年、低音と振動で没頭できるシャープ「AQUOS」の首掛けスピーカーを聴いた

2019年02月27日 13時30分更新

振動機能は5年越しで実現、蛇腹を使った独自の仕組み

 振動機能の「ACOUSTIC VIBRATION SYSTEM」は“蛇腹振動”を使った、独自の方法で実現している。フルレンジドライバーの後方に、蛇腹状にしたゴム製パーツがある。ここにバスレフダクトの役割を果たすチューブが通してあり、チューブを伝って増強された低音の振動に連動する形で、蛇腹が物理的に伸び縮みする仕組みだ。蛇腹の中心付近には重りが置いてあり、60Hz付近の周波数が再生された際に最も震える設計にしている。

本体裏面の波紋上の部分を中心に振動する。

ACOUSTIC VIBRATION SYSTEMの解説

 技術を担当した蓑田英徳氏は、2013年ごろから首掛け型スピーカーの開発に着手。もともとテレビの音響設計を手掛けてきたが、その合間を縫って、研究(試作)を進めた。当時は「人にマネされる商品」を作り、「シャープの遺伝子」を復活させるという号令が全社にかかっていた時期でもあり、その想いに応えたいという意気込みがあった。

 開発当初は、小型でも豊かな低域を出すため、教科書通りのバスレフ設計としたが、その後、パッシブラジエーター型や骨伝導型など、様々な技術を検討した。試行錯誤の結果、2016年に「蛇腹振動とバスレフの組み合わせ」が有効であると気付き、本格的な開発に進んだ。無線化といった付加機能も付け、2017年後半に現在の方向性が確立。その後もいくつかのブラッシュアップを重ね、製品化にこぎつけた。

開発の歴史をプロトタイプとともに紹介

 すでに述べたように、AN-SS1は低音増強にダクトを使用し、振動に特化したユニットを別途追加しているのが特徴だ。他社の首掛け型スピーカーでは、パッシブラジエータを使用して振動を実現している例もある。しかし、パッシブラジエーターを使って、より多くの低音を出そうとすると、振動もそれに伴って増す。この不自然さをなくそうとした。

スピーカーは手前、蛇腹の振動ユニットは後方に用意している。

蛇腹部分を別の角度から

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう