スーパーカー世代でなくても、クルマ好きなら一度は乗ってみたいクルマの1つとして、ランチア・ストラトスの名を挙げても異論の余地はないだろう。それが約1200万円で手に入るとしたら? そんな夢の話が現実になりそうだ。
WRCを三度制した伝説のマシン
ストラトスは、世界ラリー選手権(WRC)で勝利することを目的にイタリアのランチア社が1974年から75年にかけて492台のみ製造されたホモロゲーションマシンだ。ベルトーネ社でランボルギーニ・カウンタックをデザインしたマルチェロ・ガンディーニが担当した特異なフォルムに、フェラーリ製のV6/2.5リットルエンジンをミッドシップに配置。
ワイドトレッド&ショートホイールという旋回性の高さを武器に、1974年〜76年にかけて世界ラリー選手権のマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。フロントに4連フォグランプを取り付けたアリタリア航空カラーのストラトスが、テールスライドする姿は一度見たら忘れることはできないだろう。
しかし、500台に満たない生産台数は、現在その多くがコレクターや博物館に。運良く市場に出てきたとしても天文学的金額で取引されており、手に入るものではない。それは今も昔も変わることがなく、同じボディースタイルのレプリカが多数存在する。
2年待ちの走りが楽しめる英国製ストラトス
レプリカの中にはスタイリングだけを真似たモデルもあり、走りは期待できないモノもある。ここで紹介するストラトス「the STR」もレプリカなのだが、今回の上陸に先んじて英国で試乗した自動車ライターの武田公実氏によると「カントリーロードを200km/hで走行できるだけでなく、普通に乗って楽しめる」という。さらにイギリスの自動車専門誌「AUTOCAR」誌ではハンドリングが絶賛、すでに2年近いバックオーダーを抱えるほどの「スタイリングだけでなく、走りが楽しめるストラトス・レプリカ」なのだ。
この「the STR」を製造するのは、20年以上に渡り複数の会社でレプリカの製造に携わってきたMr.Craig Whiteが2010年に興した自動車メーカー「リスターベル」社。ラインアップは、このthe STRと、それをベースにグループ4スタイルのthe STR-Mの2車種だ。基本的にキットカーでの販売を行なっているのだが、年に4〜5台ほどのペースで完成車も製造している。
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