1万円以下の激安APU「Athlon 220GE/240GE」はどこが変わったのか？

CPUコアクロックだけ刻んできた。

　今回の220GEと240GEはスペック的に見るべき部分はほとんどない。その理由はスペック表に目を通せば分かるが、既存の200GEからCPUコアクロックを200MHz上げたものが220GE、そこから100MHz上げたものが240GEとなる。

GPU部分にいたっては、内蔵するCUのカウントや最大クロックに至るまで同じ。クロックはわずかに上がったがTDPは35Wで据え置き。Ryzen3 2200Gとの価格ギャップを埋めるためだけに投入された製品と言っても差し支えない。

Athlon 220GEと240GEのスペック比較
CPU	Ryzen3 2200G	Athlon240GE	Athlon220GE	Athlon200GE
CPUアーキテクチャー	Zen	Zen	Zen	Zen
コア/スレッド数	4/4	2/4	2/4	2/4
ベースクロック(ブースト時最大)	3.5GHz(3.7GHz)	3.5GHz	3.4GHz	3.2GHz
L3キャッシュ	4MB	4MB	4MB	4MB
搭載GPU	Vega8	Vega3	Vega3	Vega3
CU数	8基	3基	3基	3基
SP数	512基	192基	192基	192基
GPUクロック(最大)	1100MHz	1000MHz	1000MHz	1000MHz
対応メモリー	DDR4-2933	DDR4-2666	DDR4-2666	DDR4-2666
C外部GPU接続	8基PCI-e Gen3 x8	PCI=e Gen3 x4	PCI=e Gen3 x4	PCI=e Gen3 x4
TDP	65W	35W	35W	35W
初出価格(税込み)	\13,824	\9,266	\7,862	\6,998

「CPU-Z」で220GEの情報を拾ってみた。全コアに負荷をかけた状態での最大クロックは約3.4GHz。 まだCPU-Z側のデータベースに入っていないためか、Name欄にモデルナンバーが正しく入っていない

同じく240GEの情報。こちらは約3.5GHz動作

「GPU-Z」によるGPUの各種情報。現行Athlonシリーズの内蔵GPUは全て同じスペックなので、表記は3モデルとも同じ。画像は220GEのもの

　つまりこのAthlonを選ぶポイントは、実売価格差で得られるCPUクロックの差をどう評価するか？　に尽きる。220GEと240GEの価格差は1400円程度だが、クロック差はわずか100MHzしか確保されていない。

　100MHzの差はベンチマークでもしない限りは体感できないため、率直な感想を言えば240GEをあえて選ぶ理由はないのではなかろうか。早速この疑問をベンチマークで検証してみたい。