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『パッドマン 5億人の女性を救った男』を観て、電動バイブの歴史を思い出した

パッドマン 生理用ナプキンで5億人を救った男

2019年04月28日 17時00分更新

バイブは大人のおもちゃ用に生まれた!

 この作品を観ながら、わたしが思い出した1本の映画にも触れておこう。あまり有名ではない作品かもしれないが、電動バイブレーターの誕生秘話を描いた『ヒステリア』という映画だ。

 舞台は19世紀末、イギリスのロンドン。感情過敏になったり、不感症になったりする「ヒステリー」という女性特有の病気、とされる現象が大流行していた。

 若き医師モーティマーは、女性医療の第一人者であるダリンプル医師のクリニックで、彼女たちの治療を手伝いはじめる。彼らの主な仕事は女性たちの悩みや愚痴を聞いたり、薬を処方したりすることではない。強い不満を抱えた女性たちの陰核を手で刺激することだった。

 しかし、彼は激務のせいで腱鞘炎(けんしょうえん)になり、クビになってしまう。発明家の親友エドモントの協力のもと、彼は医療用電動振動器「打診器(パーカッソー)」の開発に取り組んでいく。

 この話はフィクションでも、わたしの妄想でもない。電動バイブはマッサージや目覚ましではなく、女性をオーガズムに導くために生まれたのだ。男性が女性のために発明に取り組み、社会を大きく変えたという点では、インドの生理用品とバイブの歴史的背景は似ている気がする。

 ちなみに、歴史的には後にヒステリーは病気ではないと明らかになる。当時は今以上に男性社会だった。女性には参政権さえなかった。すぐに泣いたり、鬱病になったりしても、無理はないかもしれない。電動バイブにせよ、生理用ナプキンにせよ、進歩はいつも遅すぎる……。

(次ページでは「日本では1960年代に生理用ナプキンが生まれた」)

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