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サイボウズの営業に聞いたkintone+krewシリーズの魅力

kintoneの可能性を拡げるkrewへの期待、サイボウズ営業が語る

2019年03月01日 12時30分更新

 業務アプリをユーザー自身がドラッグ&ドロップで作れるkintone。このkintoneの使い勝手を大きく向上させるのがグレープシティのプラグイン「krewシリーズ」だ。今回はkintoneの案件で多いSFA(営業支援)やCRM(顧客管理)において、krewシリーズがどのように活用できるか、サイボウズの営業に聞いてみた。(インタビュアー 大谷イビサ)

参加メンバー
サイボウズ 営業本部 パートナー第1営業部 深澤 修一郎氏
サイボウズ システムコンサルティング本部 ソリューションエンジニアリング部 SE-G 大味慎弥氏
サイボウズ 営業本部 パートナー第1営業部 畠 えりか氏
サイボウズ 営業本部 ソリューション営業部 業種3G グループ長 木地谷 健介氏
(左から)

kintoneでもっとも多いSFAやCRMっぽい案件

大谷:今回はkintoneで多いSFAやCRMの案件について、サイボウズの営業4人に集まってもらいました。自己紹介からお願いします。

深澤:サイボウズでパートナー営業部に所属している深澤です。年商100億円以下の中小企業をターゲットに、パートナー様と案件同行させてもらっています。

木地谷:ソリューション営業部の木地谷です。サイボウズの中では、製造業や情報通信系を中心としたエンタープライズ系のお客様を担当しています。

畠:私も深澤と同じパートナー営業部で、サイボウズ製品を扱ってくれているSIパートナー様や流通系のお客様を担当しています。SIパートナーさんからはkintoneに対する要望を直接受けることが多いです。

大味:大味です。私だけ営業部ではなくて、システムコンサルティング部というところでSEをやっています。案件同行でお客様のところに出向き、kintone標準ではできないカスタマイズに関して専門的なサポートをさせてもらっています。

今回はkintoneを営業する立場の4人に集まって話を聞いてみた

大谷:今回はkintoneにおけるSFAやCRMの話なんですが、やっぱりSFAやCRMの案件って多いんですか?

大味:一番多いと思います。

木地谷:感覚的にも半分くらいがSFAやCRMなど顧客にまつわるシステムです。イベントに参加した方の情報をデータ化するとか、わりとベーシックな用途で使われていたりします。

大谷:提案先のお客様は、過去にどういったものを使っていたんですか?

木地谷:紙もあれば、ExcelやAccessもありますし、SFA・CRMパッケージ、自社開発などさまざまですね。

大味:基盤刷新のタイミングでクラウド化したいという要望もありますね。

大谷:こうしたSFA・CRMの案件ではkintoneの標準機能でどこまでいけるんでしょうか?

深澤:顧客や案件に関する情報共有はもちろん、月別の受注見込みのグラフも標準機能で表現できます。ただ、予算実績の比較(予実)や昨年対比(昨対)の管理を実現しようとすると標準機能だけでは不足するケースもあります。

「予算実績の比較や昨年対比の管理を実現しようとすると標準機能だけでは不足するケースもあります」(深澤)

畠:現場部門の方の反応としては、1つのアプリに蓄積したデータの集計ができれば十分なのですが、管理部門の方が蓄積したデータを分析したいという時は、活動実績や予算など複数のデータ比較した分析まで必要と言われることがあります。

大味:管理部や経営企画室みたいなところから話が来るときは、複数アプリの集計をやりたいという話は出ますね。グラフ系は1つのアプリで収まらないことが多いので、アプリ間のデータをつないだカスタマイズが必要になります。

通常のSFAやCRMパッケージの場合は、データをリレーショナルDBに溜めるのですが、kintoneの場合はアプリごとのDBになります。実績情報と予算の管理でいうと2つのDBでそれぞれデータを溜めるということがあります。たとえば、ある部署でやったイベントデータを別の部署で活用するといった違うアプリからのデータの利活用だと、標準機能だけでは対応が難しいです。

「まずはこれでやってください」が自信を持って言える

大谷:では、こうした課題がグレープシティのkintoneプラグイン「krewシリーズ」と組み合わせることで、どう変わりそうか教えてください。

グレープシティの「krewシリーズ」とは?

 krewはkintoneで業務改善を図ろうとしている企業・ユーザーにさらなる利便性と生産性を提供するkintoneプラグインのシリーズ名。Excelライクな操作性と外観でkintoneを拡張するkrewSheetを第一弾として投入し、昨年の11月にはアプリ間のデータ集計を実現する「krewData」とダッシュボードを提供する「krewDashboard」を追加した。これにより、データの入力・編集、集計・加工、可視化までエンタープライズにおけるトータルソリューションを提案できるようになった。

kintone+krewシリーズでエンタープライズのニーズを満たす


今回、新たにkrewDataとDashboardが追加されたことで、ピボットテーブルも実現できるし、グラフの種類も増えたし、ダッシュボードも利用できますよね。

木地谷:krewシリーズを使えば、管理部門のニーズも含めてSFAやCRMでやりたいことはかなり満たせます。「まずはこれでやってみてください」が自信持ってお伝えできます。

「『まずはこれでやってみてください』が自信持ってお伝えできます」(木地谷)

大味:大味:個人的には「そろそろカスタマイズしてみましょう」という提案タイミングがだいぶ後ろにずれるイメージですかね。標準機能でできないから、カスタマイズしましょうという前に、krewシリーズやアールスリーのCustomineという選択肢があるので、ノンコーディングでご提案できる部分が増えるイメージです。

大谷:確かにkintoneって、標準機能とカスタマイズの間に高い壁があったのですが、この2年くらいで埋める選択肢が出てきましたね。実際、krewSheetとCustomineの連携も先日発表しました。

深澤:こうなるとわれわれの営業手法も2つに増えると考えています。お客様の要望に合わせてkintoneを組み上げていく提案と、SFAパッケージの形に組み上げてから提案する手法です。パッケージサービスのような提案と、スクラッチでシステムから構築していく提案。こちらとしてはkintoneにkrewを組み込んで、ある程度設定した状態で販売するという形を試したいです。こうするとSFAやCRMで提供されるべき予実や昨対、グラフ、ダッシュボードなどの機能を実現しつつ、お客様ごとにいろいろいじれるkintoneのよさも両立できるのではないかと思ってます。

大味:krewDataではあらかじめ定義した処理を定期実行できることも大きな利点だと思います。たとえば見込確度が直近1ヶ月以内にBランクからAランクに上がったお客様や1ヶ月以上確度が変化していないお客様を一覧でピックアップしてくれるみたいなことが難しかったんです。でも、krewで定期処理が可能になると、こういう課題が解消できるのではないかと思っています。

大谷:出社したら、コンタクトしてないお客様のリストが一覧で出てるみたいなことがkintoneでも実現できますね。あと、価格面ではどうですか?単純に高くはなるのですが。

大味:kintoneは月額1500円/ユーザーです。krewDashboardとkrewDataは合わせて、月額2万4000円。この価格であれば、既存のSFA・CRMパッケージと比べても、十分にご検討いただけるような価格かと思います。

「krewのようなプラグインを追加しても、既存のSFA・CRMより安価だと思います」(大味)

たとえば、今までは予実管理を実現するために、カスタマイズをすると価格感が合わないお客様もいらっしゃいました。でも、krewDataやDashboardであれば、再検討してもらえるお客様もいらっしゃると思います。

木地谷:なにより、お客様に対して、これだけ予算用意してもらえれば、ここまでできるということが明瞭価格で提示できるのが大きいですね。提案段階でできることと予算感を明確にできれば、だいぶお客様に安心感を与えられると期待しています。

サイボウズ SIパートナーからの期待も高い

大谷:サイボウズとしてはkintoneとkrewとの相性を考えてますでしょうか?

木地谷:先日、社内でもkrewの勉強会がありました。初めてkrewに触れる営業メンバーでも短時間で管理者の設定も含めて操作できるようになりました。ノンプログラミングで設定変更ができるのはkrewのよいところだなと実感しました。

大谷:krewSheetとかは、本当にExcelみたいに使えますからね。

深澤:そう言えば、サイボウズ社内でパートナー営業部とソリューション営業部のノウハウ合戦みたいなのやりました。どっちのプレゼンがよかったかをkintoneで投票したんですけど、その結果をリアルタイムに披露するために使ったのがkrewDashboardです。

サイボウズ社内で勉強会を実施した時のkrewDashboardで構築された投票システムの結果画面

木地谷:こんな用途も、以前はプログラムを書く必要があったんです。数字自体はkintoneで表示できるんですけど、krewDashboardを使えばこんなグラフも作れるのかと驚きました。

大谷:パートナーさんの反応はどうですか?

木地谷:自分が知っている限り、SIベンダーさんはkrewに対して好意的です。まさに「待ってました」という感じ。

畠:krewに注目しているSIベンダー様はけっこう多いです。今までカスタマイズが必要だった機能がプラグインで提供されるので、工数や費用も抑えられるのではという期待も高いです。

「(krewシリーズは)工数や費用も抑えられるのではという期待も高いです」(畠)

深澤:カスタマイズじゃなくて、ツールで実現してほしかったみたいな要望です。開発者だからといって、別にみんな開発したいわけではないので。

大味:いったん作った後に、やっぱりこれ違うみたいな手戻りのリスクも低いですし。SIベンダーさんのメリットも大きいと思います。

大谷:みんな作らないようにするためにkintoneを選択しているわけなので、kintoneで開発するって、ある意味理不尽なんですよね(笑)。

既存ユーザーの活用の幅を拡げられるkrewに期待

大谷:最後、krewシリーズへの期待をぜひ。

深澤:今回の対談はSFAやCRMがテーマですが、工数管理や進捗管理などでもグラフ化やダッシュボードは役立つし、勤怠や工数などの管理にも使えそう。そういったkintoneの活用は今後もどんどん深掘りして行きたいです。

大味:確かにプロジェクト管理や消し込みでも使えそうですね。

大谷:krewが加わることで、なんか業務ハックしがいが出てきますよね。SFA・CRMみたいな典型的なアプリケーション以外の用途も相当あると思うので、そこらへんも活用できそうです。

木地谷:krewはノンプログラミングで設定ができるので、IT部門主導のプロジェクトはもちろん、IT部門のリソースが足りず、現場部門が主導でkintoneの運用管理をするプロジェクトでも使えます。

大味:他社のSFAやCRMと同じような機能をここまで実現できますよという見せ方できたら、お客様もイメージしやすくなります。そこにkintoneの柔軟さが組み合わさったら、最強かなと思います。

畠:kintoneも導入1万社を突破して、既存ユーザーのライセンス追加も増えています。だから、新規ユーザーだけではなく、既存ユーザーの活用の幅を拡げる手段としても大きいですね。

木地谷:kintoneを知っている方の中でもkrewをご存知の方はまだ一部かと思います。試用版もありますが、kintoneとkrewをセットにしたハンズオンや講習会など、直接操作できる機会が増えると、お客様からも喜ばれるのではないでしょうか。今後のグレープシティさんの活動に期待しています。

大谷:なるほど。部門ごとのツールを統合するにせよ、パートナーといっしょに認知度を訴求するにせよ、「まとまると強い」わけですね。本日はありがとうございました!

「まとまると強い」のイメージ

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(提供:グレープシティ)

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