2018年3月に発表されたHTC製のVRヘッドセット「VIVE Pro」は、1世代前の「VIVE」のスペックを徹底的に強化した製品だ。特に液晶パネルの解像度向上は凄まじく、初代VIVEの片眼1080(両眼で2160)×1200ドットから1440(両眼で2880)×1600ドットに増えたことで、解像感が大きく向上し、極上のVR体験をもたらしてくれる。
その他にも装着システムの改善やヘッドフォンの統合、ルームスケールトラッキング範囲の拡大(最大6m四方)など順当なパワーアップが図られたモデルといえる。
すでに当サイトでは、VIVE Pro発表後すぐに当時の最新機材を利用して検証を行なっている(参考記事:http://ascii.jp/elem/000/001/652/1652663/)。VIVE Proで内蔵液晶の解像度が上がった結果、描画負荷が初代VIVEより3割ほど増えているという結果だった。
だが、この記事がアップされた後、CPUやGPU環境が大きく変化している。特に前世代から大幅にパフォーマンスを上げたGeForce RTX 20シリーズの存在は大きい。まだ、レイトレーシングをVRにという流れにはなっていないが、重量級VRコンテンツをVIVE Proで楽しむ時に大きな武器になることは間違いない。
そこで今回は、VIVE Proを最新CPU&GPU環境と組み合わせた場合のパフォーマンスをチェックする。今回はやや重めなVRコンテンツ中心で攻めることとしよう。
RTX 20シリーズの実力を十二分に発揮するためCore i9-9900Kを用意
まずは今回の検証環境を紹介しよう。VRでは主にグラフィック側がボトルネックになりやすいため、全コアを回しても4.7GHzと高クロック動作が期待できる「Core i9-9900K」を準備し、CPUがボトルネックになりにくい環境を整えた。
そしてビデオカードは「RTX 2080 Ti」「RTX 2080」「RTX 2070」を準備し、ベースラインとして「GTX 1070」と比較する。ビデオカードは全てFounders Editionである。
【検証環境】 | |
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CPU | インテル「Core i9-9900K」(8コア/16スレッド、3.6~5GHz) |
ビデオカード | NVIVIA「GeForce RTX 2080 Ti Founders Edition」、NVIVIA「GeForce RTX 2080 Founders Edition」、NVIVIA「GeForce RTX 2070 Founders Edition」、NVIDIA「GeForce GTX 1070 Founders Edition」 |
マザーボード | GIGABYTE「Z390 AORUS MASTER」(Intel Z390) |
メモリー | G.Skill「F4-3200C14D-16GTZR」(DDR4-3200 8GB×2、DDR4-2666で運用) |
ストレージ | WesternDigital「WDS100T2X0C」(M.2 NVMe SSD、1TB)、Crucial「CT1050MX300SSD4/JP」(M.2 SATA SSD、1.05TB、データ用) |
電源ユニット | Silverstone「ST85F-PT」(850W、80PLUS Platinum) |
OS | Windows 10 Pro 64bit版(October 2018 Update) |
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