Threadripper 2920Xや第9世代Coreと比較
今回実際に各テストを実施した環境を紹介しよう。前掲のパーツ価格表と価格的に完全に合致しない部分もあるが、パフォーマンスに大きく影響せず、なおかつ使えるパーツは極力同じものを使っているのでご容赦頂きたい。ほぼ同じパーツ構成でCGレンダリング性能を計測し、それを想定したプラットフォーム別予算で費用対効果計算をする、という流れになる。
また、BIOS設定は基本的にファクトリーデフォルトを基準にしているが、ASUS製Intel Z390チップセット搭載マザーボードはデフォルトでは他社製マザーボードに比べてクロックが落ちやすい設定(VRMを過熱から護るためのもの)になっている。これを回避するためBIOSの「CPU Core Ratio」は“Per Core”に設定している。
検証環境:Ryzen 7プラットフォーム | |
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CPU | AMD「Ryzen 7 2700X」(8C/16T、3.7GHz~4.3GHz) |
マザーボード | ASUS「ROG STRIX X470-F GAMING」(AMD X470、BIOS 4024) |
メモリー | G.Skill「F4-3200C14D-16GTZR」(DDR4-3200 8GB×2、DDR4-2666で運用) |
ストレージ | Intel「SSD 600p SSDPEKKW512G7X1」(NVMe M.2 SSD、512GB) |
グラフィックスカード | NVIDIA「GeForce GTX 1070 Founders Edition」 |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST85F-PT」(850W、80PLUS PLATINUM) |
グリス | Thermal Grizzly「Kryonaut」 |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(October 2018 Update) |
検証環境:Threadripperプラットフォーム | |
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CPU | AMD「Ryzen Threadripper 2920X」(12C/24T、3.5GHz~4.3GHz) |
マザーボード | ASUS「ROG ZENITH EXTREME」(AMD X399、BIOS 1501) |
検証環境:Intelプラットフォーム | |
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CPU | Intel「Core i9-9900K」(8C/16T、3.6GHz~5GHz) Intel「Core i7-9700K」(8C/8T、3.6GHz~4.9GHz) Intel「Core i5-9600K」(6C/6T、3.7GHz~4.6GHz) |
マザーボード | ASUS「ROG STRIX Z390-F GAMING」(Intel Z390、BIOS 0602) |
では実際どのようにCGレンダリングをさせた場合、どの程度の費用対効果になるのかを検証していきたい。
費用対効果を“見える化”してみる
いつもはCPUの馬力比較をするために使っている「CINEBENCH」だが、このベンチマークのコア部分はCG作成ソフト「CINEMA 4D」と共通のものを使っている。まずはCINEBENCHのスコアーを単純に比較しよう。
まずはおなじみのスコアー比較。最速は12コア/24スレッドのThreadripper 2920X、次いで8コア/16スレッドで全コア動作時4.7GHzのCore i9-9900Kとなる。同じ8コア/16スレッドでもRyzen 7 2700Xはクロックが低めなので、3番手につけている。CPU同コア数対決ならRyzen 7 2700XよりもCore i9-9900Kのほうが速く、CPU価格基準ならCore i5-9600Kはもちろん、格上のCore i7-9700KよりもRyzen 7 2700Xのほうが優れている。
次に費用対効果の比較だ。CGレンダリング速度の指標となるマルチコアテストのスコアーを前掲のコストで割り、千円あたりのスコアーを計算してみたい。
Threadripperはコア数が多いぶんスコアーも高いが、導入コストが高いため単純な費用対効果はいまひとつ。“時間”という他に代えがたいものとトレードオフにするなら出費も厭わない、という層は別として、CGレンダリングの単純な費用対効果においてThreadripperはあまり優秀とは言えない。
そして絶対的なスコアー面でRyzen 7 2700Xを下したCore i9-9900Kだが、こちらもCPU価格が高いためThreadripper並みという印象すらある。Core i9-9900Kと比較すると案外Threadripper 2920Xは悪くない気もする。
だが、CINEBENCHにおける費用対効果でトップは僅差でRyzen 7 2700Xとなった。Core i9-9900Kよりもスコアーは低いが、費用対効果計算では決して悪い選択ではないのだ。
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