いよいよ契約社数1万社を突破したkintoneってそもそもなんだ?
そして、最後はもちろんkintone。業務アプリをエンドユーザー自らが作れるkintoneは、契約社数がいよいよ1万社を突破。業種・業態も幅広く、これまで少なかった金融機関や自治体も利用が拡大しているという。kintone プロダクトマネージャの伊佐政隆氏は、「われわれもがんばったが、お客様みんながよりよい活動を拡げてくれているのもありますし、パートナーとの活動も大きい。そしてなによりコミュニティの力が大きい」と語り、サイボウズが運営するkintone hiveとユーザー自身が運営するkintone Caféを紹介する。
特にkintone Caféはすでに4ヶ国、30都道府県で140回開催しており、1週間に1回はどこかでkintoneの勉強会が開催されているという。「なぜコミュニティをやっている聞くと、楽しいからと答える方が多い。学びが大きくなる、仲間も増える」(伊佐氏)とのことで、コミュニティこそまさに「楽しいは正義」の産物と言えよう。
データベース、ワークフロー、コミュニケーションを統合したアプリを作れるクラウド基盤であるkintone。kintoneから生まれ、稼働中のアプリはすでに75万を超え、1日あたり1617件のアプリが生まれている。「1万社で75万のアプリなので、1社につき何個もアプリが動いている。それだけ多くの業務改善が行なわれているということ」(伊佐氏)。また、こうしたkintoneを用いたアプリ作成や業務改善のプロである認定アソシエイトは11月1日時点で264名に達したという。最近は大学生の受講も増えていることから、同日付で5000円の学割も発表された。スイミーや桃太郎のほか、東京スカパラダイスオーケストラを採用した「まとまると強い」の交通広告やWeb施策も披露された。「1人1人はすごくいい仕事をしているけど、周りとまとまれば、もっといいサービスになれる、もっといい会社になれる。こう考えている人が使うサービスがkintoneであると訴えてます」(伊佐氏)
続けて伊佐氏はkintoneの基本的な説明とデモに時間を費やした。Excelをインポートしたり、ストアから必要なサンプルデータ込みのアプリを選択するだけで、業務アプリを作れる。もちろん、ドラッグ&ドロップで部品を貼り付け、画面を手作りすることも可能で、公開したアプリにはコメントを付けられる。もちろん、より高度な処理や操作が行ないたい場合は、プラグインで機能を追加したり、kintoneのインテグレーターがカスタマイズを行なってくれる。
kintoneユーザーであれば、すでに見慣れたデモかもしれない。しかし、kintoneでできることを説明するのはいまだもって難しい。kintoneが登場して、すでに7年が経ち、契約者数も1万社を超えた。新しいユーザーが増え、クラウドらしく日々進化するプロダクトとして、改めてkintoneとは?をきちんと説明する必要があったのだろう。
パートナーシップも強化!やっぱり「まとまると強い」
デモを終えた伊佐氏は、来春に向けて開発中のkintoneのモバイルアプリについて紹介した。「PCでできることをモバイルでやりたいという声が増えてきた」(伊佐氏)とのことで、トップ画面でのお知らせやナビゲーションメニューも用意。レコード一覧画面では横スクロールで複数のフィールドをそのまま見られるようにしているという。また、モバイル向けのAPIも整備も強化され、イベント駆動やカスタマイズビューの対応などがこの数ヶ月で行なわれる。さらにモバイル開発者向けの「kintone API SDK for iOS/Java」も用意されているので、これを使えば通常の1/4のコードでモバイルアプリを実装できるという。
続いて紹介されたのは、グローバル展開を見越したパートナーシップ。すでに発表されているとおり、北米でのkintone.comの基盤にAWSの採用が決まっており、2019年にはAWS版のkintoneが北米で利用可能になる。また、マルケトとの戦略的な協業も発表。これまで外部サービスが必要だったSlackとの連携も、11月からはkintone画面の中から設定できるようになる。
そして、最後はまさに「まとまると強い」連携サービスが紹介された。kintoneで管理した契約書と弁護士ドットコムの「CloudSign」を連携させるとシームレスな電子契約が実現するほか、富士ゼロックスの複合機を使えば、紙の書類をそのままデジタル化して、kintoneに登録できる。印刷に関しては、さまざまな形式をサポートしたサイボウズスタートアップ(CSTAP)の「プリントクリエイター」、Webの問い合わせをそのままkintoneに取り込める「FormBridge」などが用意されている。
もちろん、Excel好きにはグレープシティの「krewSheet」が用意されており、先週はkintoneアプリをまたいでデータ集計ができる「krewData」、ダッシュボードを作れる「krewDashboard」が発表されている。また、ジョイゾーからはLINE WORKSと連携するチャットボットを簡単に作れる「Joboco」がいよいよ発売開始になった。「kintone使いたくないIT苦手なおじさんでも、なぜかLINEだったら使える。Jobocoを使えば、LINEでやりとりしていることがkintoneに溜められたり、kintoneから情報を取り出したりといったことが実現する」と伊佐氏は語る。さらにオフライン環境でもkintoneとデータ同期できる日本オプロの「AppsME」に続き、最後はkintoneカスタマイズの敷居を劇的に下げるアールスリーインスティテュートの「gusuku Customine」を紹介。「JavaScriptを知らなくても、日本語さえできれば、誰でも開発者になれる」と伊佐氏はアピールしたが、先週英語版もリリースされたので、英語でもOKだ。
最後、青野氏は約60社のパートナーブースや2日間の見どころについて説明し、基調講演を終えた。2日目の8日は現在開催中。Business Conferenceということで、プロダクトよりも、働き方やチームマネジメントにフォーカスされたセッションが数多く用意されている。
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