週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

自動車メーカー10社が採用する標準規格

カーナビで操作するスマホアプリ――SDLアプリコンテスト応募開始

2018年10月10日 09時00分更新

SDLアプリコンテスト公式ページ。グランプリは賞金50万円+副賞、賞金総額は100万円となる。

スマホアプリの新しい常識はカーナビとの融合

 2016年の交通違反検挙件数の3位は「携帯電話使用違反」(通話や画面注視)、つまり「ながらスマホ」。また、これよる交通事故が年間1,999件(死亡事故27件)も発生している。そのため「ながらスマホ」については、道路交通法の改正によって罰則が強化される見通しだ。一方で、違法であり危険であると分かっていても、運転中にスマートフォンを使いたいというニーズがあるのもまた確か。こうした状況を解決するのが、SDL(スマートデバイスリンク)だ。

 SDLとは、四輪・二輪とスマートフォンを連携させるオープンソースの国際標準規格。具体的には、iPhone・Androidアプリ「SDL対応のカーナビ」といった車載機を通じて、運転中でも安全に使えるようにするというもの(対応車載機は来年から本格的に登場)。このSDLに対応するアプリを広く募集する、「クルマとスマホがつながる SDLアプリコンテスト」が、10月3日から開催されている。

SDLコンソーシアム日本分科会に参加する自動車メーカー10社

 主催は、SDLアプリコンテスト実行委員会。SDLアプリコンテスト実行委員会。自動車メーカー10社(トヨタ自動車、日産自動車、マツダ、SUBARU、ダイハツ工業、三菱自動車工業、スズキ、ヤマハ発動機、川崎重工業、いすゞ自動車)ほかで構成される、SDLの普及を目的とした団体「SDLコンソーシアム日本分科会」が協力している。いわば、日本のクルマとスマートフォンの関係のこれからを考えるコンテストといえる。

 SDLを使えば、対応のカーナビなど、車載機を経由して、スマートフォンの位置情報や音楽データを利用したり、SNSにアクセスしたりできる。つまり、クルマの中で合法的かつ安全に、普段使っているスマホの操作ができるわけだ。

 また、エンジンの回転数や車速、ドアの状態など、クルマの状態をスマートフォンアプリで取得することも可能(車速等のクルマ側のデータの使用には、自動車メーカー各社の許諾が必要)。これによって、いままでのスマートフォンアプリでは実現できなかった可能性も広がりそうだ。

アプリ開発者や既存アプリの事業者から、広く対応アプリを募集

 コンテストでは、AndroidまたはiOSでの、対応アプリの新規開発、およびすでに提供中の自社アプリからSDLのAPIを呼び出す事例を広く募集する。

 「運転中に○○できたら」「スマホの○○をカーナビから使えたら」といった、実際のクルマやバイクではできない、スマートフォン利用の課題に応えるアプリだ。応募は、個人、グループ、企業、学校など問わない。すぐれたアプリの開発者には、グランプリとして賞金50万円と副賞を贈呈する。賞金総額は100万円となっている。

ダッシュボードに組み込めるSDL開発キット(車載機)を販売、実際にテストが可能

 開発したアプリは、10月中に発売される開発キット(アスキーストア http://ascii-store.jp/にて価格4万円弱を予定)を実際に車に組み込んで、実情に即した形でテストすることが可能。

 なお、開発キットを持っていなくても、コンテストには応募可能。エミュレーター(無償)の上で動作している状況を撮影した動画と、説明資料・プログラム本体があればいい。開発キットの購入は必須ではなく、また審査にも影響しないとしている。

大学・高専などに、SDL開発キット(車載機)を無償提供のプログラムを用意

 また、コンテストに応募したい大学や高専など学校関係者向けに、SDL開発キット(車載機)を無償配布するプログラムも用意されている(詳しくはコンテスト実行委員会に問い合わせのこと)。

 なお、SDLに関してより詳しい情報は、「スマホの安全利用をはかる仕組み/車・バイクとスマホを連携させるSDL規格の基礎知識」をご覧ください。SDLコンソーシアム公式の技術資料は、以下となります。

技術資料:https://www.smartdevicelink.com/docs/

開発キット等:https://www.smartdevicelink.com/resources/

【コンテストの開催概要】

■名称:クルマとスマホがつながる SDLアプリコンテスト
■主催:SDLアプリコンテスト実行委員会
   (事務局:角川アスキー総合研究所)
■協力:SDLコンソーシアム日本分科会
■募集内容:SDLを利用したAndroid、またはiOSアプリ
■応募期間:2018年10月3日(水)〜2019年1月31日(木)
■応募方法:コンテスト専用サイトにて( http://sdl-contest.com/

※応募には、下記を提出してください。
 (1)応募作品の動きがわかる動画および画像
 (2)作品内容の説明資料(PDF)

■受賞発表:
・事務局による事前審査の結果発表は2019年3月上旬を予定しています。
・最終審査会を兼ねた受賞発表・表彰式は2019年2月末に予定しています。
・事前審査通過者は、最終審査会でプレゼンテーションをしていただきます。
■賞・賞金等:グランプリ 賞金50万円+副賞
       特別賞   賞金10万円×5本

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります