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iPhone XS、XRのデュアルSIMはどうやって使うのか

2018年10月03日 10時00分更新

 iPhone XSとiPhone XS Max、10月26日発売のiPhone XRの新機能に、1台で2つの電話番号やデータ通信回線を利用できるデュアルSIM、eSIMがあります。

iPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRは、デュアルSIMに対応。従来のnanoSIMカードと、内蔵のeSIMで契約した電話番号やデータ通信プランを利用できる

 デュアルSIM自体はAndroidのSIMフリースマホですでにおなじみですが、iPhoneのデュアルSIMは物理的なnanoSIMカードと内蔵のeSIMの組み合わせによるものです。このため、2枚目のSIMを利用するには専用の契約手続きが必要となります。

 また、10月2日時点ではデュアルSIM、eSIMの機能は有効になっておらず、実際にeSIMを利用できるのは年内リリース予定のOSアップデートを適用後からとなります。

 このように注意事項が多いiPhoneのデュアルSIMとeSIM契約について、基本的な部分から最新情報までざっと見ていきましょう。

iPhone XSシリーズとiPhone XRの
デュアルSIMは何ができるのか

 デュアルSIMの利点は主に2つ。1台のスマホで2つの電話番号を利用できることと、海外ではふだん利用している日本のSIMと現地の低価格プランのSIMが併用できる点です。

 iPhoneのデュアルSIMも、一般的なデュアルSIM対応スマホと同じように2つの電話番号の通話を同時に待ち受けできるDSDSや、電話帳の相手ごとに電話をかける電話番号回線を指定できるといった機能が搭載されています。

 デュアルSIMで利用できる機能については、アップルがすでにWebサイトに掲載しているので参考にすると良いでしょう。

【eSIMでデュアルSIMを活用する】
https://support.apple.com/ja-jp/HT209044

日本ではまだiPhoneのデュアルSIM、eSIMを利用できないが、利用できる機能に関してはすでに公開されている

 データ通信は、nanoSIMとeSIMのどちらの回線を利用するのかを指定できます。また、eSIMは国や携帯電話会社にもよりますが、店頭での対面手続きなしにプラン契約できるので、空港などに到着したらすぐにeSIMで現地のプランを契約してネットを利用できます。eSIMの利用する際は携帯電話会社のアプリで契約するか、契約手続きで発行されるQRコードや契約情報を入力します。

グローバルサービスのTRUPHONEのeSIMアプリ「MyTruphone」の利用イメージ。今後、日本を含む80ヶ国でeSIMサービスを提供予定だという

 ただし、現在eSIMでの契約に対応している携帯電話会社や料金プランは少なく、国によっては安いプランが用意されていない場合もあります。実際、当初のeSIM対応の携帯電話会社は、欧米の事業者とグローバルSIMサービスの事業者が中心です。このため、欧米以外の国ではグローバルSIMサービスの事業者しか選べない場合が多く、現地のプリペイドSIMと比べて割高なプランしか選べない可能性もあります。

アップルが発表した初期のeSIM対応の携帯電話会社は、欧米を中心としたいくつかの事業者と、複数の国でサービスを提供するグローバルSIMの事業者のみだ

【eSIMに対応している通信事業者を探す】
https://support.apple.com/ja-jp/HT209096

デュアルSIM、eSIMの利用条件は?

 デュアルSIM、eSIMを利用できるのは、新モデルとなるiPhone XS、iPhone XS Max、iPhone XRです。ただし、繰り返しになりますが10月2日時点ではまだ利用できません。実際に利用できるようになるのは、年内リリースを予定しているiOS 12の更なるアップデートをインストール後となります。

 もうひとつの利用条件として、SIMロックの解除があります。アップルストアで購入したiPhoneにはSIMロックがかかっていませんが、日本のドコモ、au、ソフトバンクで購入した場合は自社の契約回線しか利用できないSIMロックがかかっています。これは例外がない限りeSIMにも適用されるので、eSIMで別の携帯電話会社の契約やネットワークを利用できません。デュアルSIM、eSIMを自由に利用したい場合は、基本的にSIMロック解除の手続きが必要となります。

アップルが公開しているeSIMの利用条件

 なお、現在ドコモ、au、ソフトバンクからは、iPhoneのeSIMに対応したプラン提供についての発表はありません。

 これは仮定の話ですが、今後ドコモ、au、ソフトバンクがiPhoneのeSIM対応プランを発表した場合は、SIMロックありのiPhoneでも購入した携帯電話会社と同じeSIMのプランを利用できる可能性はあります。ただし、2つ目の電話番号を取得したい場合や、よほど便利なプランが提供されない限りは、あまり契約する意味はないでしょう。

eSIMとiPad用Apple SIMとの違いは?

 アップルがeSIMを採用したのは、今回のiPhoneが初めてではありません。Apple Watch Series 3でも採用されていますし、さらに前のiPadでも「Apple SIM」という名称で提供されています。

 Apple SIMと今回のiPhoneのeSIMは、利用内容がよく似たサービスです。Apple SIMを搭載したiPadで「設定」→「モバイルデータ通信」を選ぶと、現在地で契約可能な携帯電話会社が表示され、そのままプリペイド契約などを選んで利用できます。

 主に海外からの渡航者が現地に到着してすぐにデータ通信を利用するためのサービスで、各国で対応している携帯電話会社も今回のiPhoneのeSIMとかなり似通っています。ちなみに、日本だとauとソフトバンクも短期利用向けのプリペイドプランを用意しています。

iPadのApple SIMの設定画面。日本ではauとソフトバンクも対応している。nanoSIMと内蔵のApple SIMの両方を同時に入れておけば、デュアルSIM的な活用もできる

 iPhoneのeSIMは通話対応プランも想定されるほか、利用者もかなり増える可能性があります。このため、料金プランの内容はApple SIMとかなり変わってくる可能性もあります。ちなみに、iPhone XS Maxに古いiPad用に発行されたApple SIMを入れたところ、従来のiPhoneと同じく利用できませんでした。

 アップルとしては、これらiPad向けのApple SIMやApple Watch Series 3で各国の携帯電話会社とeSIMの利用実績を積んだうえでのiPhoneのeSIM開始です。今後、各国の携帯電話事業者の対応を期待したいところです。


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