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パーテーションとノイズキャンセリングで実現

パナソニック、装着する静寂空間「WEAR SPACE」 CFで資金調達へ

2018年10月02日 15時30分更新

集中力を高めるためのウェアラブルデバイス「WEAR SPACE」

 パナソニックは10月2日、集中力を高めるためのウェアラブルデバイス「WEAR SPACE」の開発、事業化を目指したプロジェクト「WEAR SPACE project」を立ち上げたと発表した。

頭部に装着して、静寂な環境を実現

 WEAR SPACEはノイズキャンセリング機能を持ったヘッドフォンと、頭部を覆う形状のパーテーションで構成している。パーテーションによって水平視野を6割カットし、ノイズキャンセリングによって雑音や周囲の会話をカットすることで、目の前の課題に集中しやすい状態を作るという仕組み。

 ヘッドフォンはBluetoothヘッドフォンとしても利用できるため、動画制作や音楽制作にも活用できる。装着することで、周囲に「集中して作業していること」を伝える効果も得られる。

Bluetoothヘッドフォンとしても利用できる

 サイズはおよそ幅220×奥行き300×高さ140mm、重量はおよそ330g。主なスペックは、ドライバーサイズ直径40mm以上、Bluetooth 4.1(または4.2)、BluetoothコーデックSBC/AAC、連続利用時間およそ20時間、連続音楽再生時間およそ12時間。

使用のイメージ

 「オフィスのフリーアドレス化や、オープンな働き方、職場のスタイルが普及することと合わせて、集中して仕事に没頭できる環境も必要とされているのでは?」という発想から、開発に至ったという。

 昨年の10月には「reddot award 2017 best of the best」を受賞しているほか、アパレルブランドの「ANREALAGE」とのコラボレーション、テキサス州で実施されたカンファレンス「SXSW 2018」への出展なども実現しており、いずれも高い評価が得られたとする。

新しい事業機会を社会に問いかける狙い

 資金については、カルチュア・コンビニエンス・クラブが運営するクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」で一般から出資を募る。目標金額は1500万円で、方式はAll or Nothing(目標金額に達すれば、資金調達成功)。金額は2万8000円からで、期間は2018年の12月11日まで。プロジェクトは、パナソニックのデザイナーによるクリエイティブ集団FUTURE LIFE FACTORYと、パナソニックから独立したShiftallの共同プロジェクトとして進められる。パナソニックが企画、デザインした製品のクラウドファンディングは、初めての試みとなる。

 発表会で登壇したShiftallの代表取締役 岩佐 琢磨氏は、大企業が失ってしまう3つの要素として「エッジの効いた商品」「素早く小規模な商品開発・販売」「ノンシリアルなイノベーション」があると説明。これらは、「大企業のメリットや持ち味だが、同時にデメリットにもなり得る」と話した。

 続いて、自動車メーカーのランボルギーニを例にあげ、「ランボルギーニは、フォルクスワーゲンという巨大なグループに属していながら、それらの3つを兼ねた車を開発している。Shiftallも、パナソニックグループの中でそういった商品開発を続けていきたい」と話した。

 「社内でアイディアが通らなければ終わりではなく、新しいコンセプトや試みを、まず一般に評価してもらうことで、新しい事業機会を社会に問いかける」(FUTURE LIFE FACTORY 姜 花瑛氏)狙いもあるという。

 WEAR SPACEは、東京ミッドタウン、二子玉川蔦屋家電、代官山ティーンズ・クリエイティブなどで展示もされる予定。出資を検討する方、興味がある方はぜひ体験に行ってみよう。

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