週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

ポルトガルのマイナースマホメーカーの端末が欲しい!

2018年09月30日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII編集部

見たこともないメーカーのスマートフォンを発見

 世界各国で売られているスマートフォンも、今やほとんどが知られている大手メーカー品ばかりになっています。最近は中国メーカーの進出が進んでおり、ファーウェイやZTEはもちろんのこと、OPPO、Vivo、シャオミあたりの製品も見かけるようになりました。筆者はヨーロッパにも取材でよく行きますが、どの国へ行ってもキャリアや家電店で並んでいる端末の顔触れはだいたい同じです。

ポルトガルのスマホのカタログ、いきなりハイセンス

 ところがポルトガルには日本ではまったく知られていないメーカーや、マイナーメーカーの製品が普通に売られているのです。毎年2月にはスペイン・バルセロナで開催されるMWCへ取材に行きますが、そのすぐ隣国のポルトガルにはスペインでも見かけないメーカーのスマートフォンが売られています。

スマホ量販店、Phone Houseポルトガル

 イギリスの携帯電話量販店「Carphone Warehouse」はヨーロッパの一部の国でも展開しており、ポルトガルでは「Phone House」の名前で各都市に店を出しています。そのPhone Houseのカタログを見ると、見慣れぬメーカーのスマートフォンが並んでいるのです。

 ポルトガルにはボーダフォン、MEO、NOSの3キャリアがありますが、MEOは親会社でヨーロッパのメディア企業「Altice」ブランドのスマートフォンを多数販売しています。最上位モデルの「S70」でも価格は200ユーロ、1600万画素カメラ、5.5型(720×1280ドット)のディスプレー、SoCはオクタコア1.5GHz CPU(メーカー不明)ですのでミッドレンジ以下のモデルが中心。手ごろな価格のモデルをそろえているためか、他国で見られるアルカテルやWikoの製品をMEOはあまり扱っていないようです。

Alticeのスマートフォン

最上位モデルのS70

 「ニューヨーク」「ドバイ」「モナコ」と海外の都市名を製品の名前に付けているLaiqはポルトガルのメーカー。端末価格は100ユーロ前後でAlticeよりもさらに下のレンジの製品が中心です。シンプルでデザインのいい製品を投入しており、スペックはやはりミッドレンジクラス。他とは違う製品を目指しているようです。

 たとえばモナコは130ユーロ、SoCがMT6737、5型(720×1280ドット)ディスプレー、1300万画素カメラ。価格相応ですが、このレンジの製品として大手メーカーのエントリー機と互角の勝負ができそうです。

製品名に特徴のあるLaiq

5型ディスプレーと小型のモナコ

 さてキャリアのMEOのWEBページを見ると、「Star」と名の付くスマートフォンが多数あります。ただし製品名の頭がStarで、それにスペースなしで名前が続いていることからそのStarがブランドやメーカー名ではないようです。個別の製品を見てみると、実は背面に「Altice」または「Laiq」のロゴが見えます。

 ハイエンド製品はアップルやサムスン電子に任せ、多くの人が買いやすいミッドレンジ以下の製品を増やすために、2社の製品をさらに別ブランド名のようにすることで製品種類を増やそう、という考えなのかもしれません。

Laiq製造のStarTrail 8 Dual SIM

StarActive 2はAlticeブランド品

 もう1つの地元キャリア、NEOのほうも自社ブランドのスマートフォンをいくつか出しています。「NOVU III」「Neva 80」「Dive 72」などがあるのですが、すべて大手メーカーのODM品でNeva 80がZTE(V770)、Dive 72はTCL(アルカテルA3)。製品名に統一性がないのですが、これはこれでちょっと現物を見てみたいかも。価格はやはり100ユーロ台で、手軽に買えます。

Neva 80(左)とDive 72(右)

 これらの端末はハイエンドスマートフォンを使っている人には興味がわかないものかもしれません。しかし、ポルトガルに行ったときに現地プリペイドSIMと一緒に買って、日本から持ち込んだ自分のスマートフォンのテザリングモデムとして使うのは十分あり。どうせ買うなら現地品を買って思い出にしたいもの。それに複数端末があったほうがなにかと便利です。

 ポルトガルではネットワーク機器で有名なTP-LINKのスマートフォン「Neffos」シリーズも販売されています。筆者も来年のMWC取材時はポルトガルまで足を延ばしてみようと思っています。

Neffosのスマートフォンは日本ではめったに見かけない

山根康宏さんのオフィシャルサイト

「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!

 長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!

 「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!

→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」を読む

ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。

→ASCII倶楽部の詳細はこちらから!

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事