週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

iPhone XS Maxは「最強ゲームスマホ」なのか?

2018年09月27日 12時00分更新

iPhone XS MaxのGPU性能を3DMarkでチェック

 前回ご紹介したCPUベンチマーク結果に引き続き、今回はiPhone XS MaxのGPU性能を見ていきましょう。

 高画質3Dグラフィックのゲームを快適に遊びたい場合、GPU性能に関するベンチマークスコアは重要な指標となります。特に、iPhone XS Maxのディスプレーは2688×1242ピクセル表示対応とiPhone史上最大の画素数なので、GPUも高い性能を求められます。

 今回、定番ベンチマークの「3DMark」などを利用して計測しました。実際のゲームアプリに近い動作のテストで、高負荷な「Sling Shot Extreme」と標準的な「Sling Shot」を利用しています。結果は3回テストしたうちの最高値となります。

 Sling Shot Extremeは、現在アップルが利用を強く促しているローレベルAPIのMetalで2560×1440ピクセルの映像を処理する、最先端の高画質ゲームアプリを想定した内容です。Sling ShotはOpenGL 3.0 ESで1920×1080ピクセルの映像を処理する、もう少し一般的なゲームアプリに寄った内容となります。

3DMarkベンチマーク結果

 ベンチマークの結果、iPhone XS MaxのGPUは従来モデルのiPhone Xなどと比べ、約1.3倍高速化しています。アップルの「最大50%速い」といううたい文句ほどではないですが、着実に性能向上しています。

 また、ベンチマークに出ない進化点として、iPhone XS Maxは体感ですが発熱がかなり抑えられています。一方、iPhone XやiPhone 8 Plusはベンチマーク時に本体がかなり発熱し、Sling shotのテストは両モデルとも合計3回のテスト中にそれぞれ1回ずつ停止しました。

 iPhoneで高画質な3Dグラフィックのゲームを高解像度で楽しみたい方は、最新のA12 Bionic搭載で高解像度ディスプレー搭載の「iPhone XS Max」「iPhone XS」をオススメします。詳細はあらためてご紹介しますが、少しゲームを動かしただけでもiPhone Xなど従来モデルよりも、処理性能の余裕や発熱の少なさを感じられました。

 一方で、ゲームは快適に動いてほしいが解像度はあまり気にしないという方は、10月19日予約開始の「iPhone XR」を待つのがいいでしょう。小さめや低価格で高性能なiPhoneが欲しい方は、価格の下がってきた「iPhone 8」も狙い目です。従来のiPhoneと同じサイズで操作しやすく、画面解像度が控えめなぶんGPUが余裕をもって動作する、バランスのとれたモデルと言えます。

3DMark Sling Shot Extremeスコア

iPhone XS Max

iPhone X

iPhone 8 Plus

iPhone 6s

iPhone 5s

3DMark Sling Shotスコア

iPhone XS Max

iPhone X

iPhone 8 Plus

iPhone 6s

iPhone 5s

 「Geekbench 4」と「Antutu Benchmark 7」で計測したベンチマーク結果のうち、GPU性能に関するスコアも掲載します。これらはよりGPUのみの性能に特化したベンチマーク結果で、アップルのうたい文句どおり50%の性能向上を確認できました。

最新のAndroidスマートフォンとも比較

 3DMarkの結果を最新Androidスマートフォンでも計測してみました。iPhone XS MaxのA12 Bionicは、最新ハイエンドの「Galaxy S9」シリーズなどSnapdragon 845を搭載モデルと、「Galaxy Note8」など一世代前のSnapdragon 835搭載モデルの中間となります。スマホ全体でみれば最新のハイエンドGPU搭載モデルですが、その中では平均的なスコアの製品と言えるでしょう。

 注意点として、ベンチマークは3Dグラフィックの処理性能を計測できても、ゲーム全体の快適さを計測できるわけではありません。iPhoneは本体の選択肢が少ない代わりに、アプリの動作を各モデルに合わせて最適化しやすいという強みがあります。iPhoneを動作の安定したゲーム機として評価しているユーザーの場合、少々のスコアの差を気にする必要はないでしょう。


■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この特集の記事