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eSIM搭載の新型iPhoneでいよいよレンタルWi-Fiルーターは消えゆく存在?

2018年09月22日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

SIMロックはどうなるか?

 しかし問題もあります。それはSIMロックです。SIMロックは通常、購入したキャリアのSIMカードしか受け付けない状態を指します。これはeSIMでも同様で、SIMロックされているデバイスを使う場合、eSIMでもそのキャリアに制限されることになります。

 そのため、eSIMを含めたデュアルSIMを最大限に生かすには、Apple StoreなどでSIMフリーモデルを手に入れるか、キャリアでSIMロック解除をしてもらわなければならなくなります。この点には注意が必要、といえるでしょう。

 ちなみに、中国向けのiPhone XS/iPhone XS Max/iPhone XRでは、eSIMが利用できません。その代わりiPhone XS MaxとiPhone XRの6インチ以上のディスプレイを持つモデルでは、SIMトレイに上下2枚のSIMを載せることができる仕様で販売されるそうです。

中国ではeSIMが認められないため、iPhone XS MaxとiPhone XRには、物理的に2つのSIMを差し込む新しいトレイがデザインされました。これってわざわざ中国向けだけに用意した、2つのSIMに対応する内部構造なのか、トレイの違いだけで全部デュアルSIM対応なのか……

 契約者の特定が難しくなるとして中国当局はeSIMを排除しており、Apple Watchのセルラーモデルも中国では利用できません。ここ最近、サーバの中国国内への設置や、AIDS撲滅キャンペーンなど政治色を含む製品の色名変更など、中国市場に対して配慮が見られるApple。またしても中国への特別な対処が発覚しました。

 それだけAppleにとって、中国が重要だと言うことの裏返しでもあります。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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