Google Payやモバイル通信はまだ?
グーグルに聞いた「Wear OSスマートウォッチ」バッテリー時間、電子決済、eSIMはどうなの?
ユーザーインターフェースの変更やGoogle Fitとの親和性アップなど、大きなアップデートが実施された、グーグルによるスマートウォッチ向けOS「Wear OS by Google」(以下、Wear OS)。今回、グーグルでWear OSのエンジニアリングディレクター Miles Barr氏に、アップデートのポイントや最新スマートウォッチの状況について話しを聞いた。
必要な情報を素早く入手できる新UI
———今回のWear OSのアップデートについてポイントを教えてください。
Miles Barr氏(以下、Barr氏):これまでWear OSに取り組んできてわかったことは、スマートフォンなどと比べてウォッチを見る時間は短いということです。そこに重きをおいて、ぱっと見たときに「必要な情報を素早く入手」できるようにUIを変更しました。さらにタップの数が少なくても、操作できるようにしています。
今回アップデートでは、どの方向にスワイプしても重要な情報を表示するように、デザインを変えています。メインのウォッチフェイスから、下から上にスクロールすると「通知が表示」されるのは同じですが、通知画面は表示スペースを凝縮することによって、多くの通知が届いている場合でも、何度もタップやスクロールせずにすむようになっています。
アップデートによりユーザーインターフェースが変わったWear OS by Google
ウォッチフェイスから右方向にスワイプすると「Googleアシスタント」の情報フィードが表示され、そこから下から上にスクロールすることで、必要な情報を入手できるようになっています。たとえば、スケジュールの通知や旅行、出張中ならフライト情報といった具合です。
以前のバージョンでは、Googleアシスタントを音声以外で起動させるには、3時位置のボタンの長押しなどが必要でしたが、今回のアップデートによりサッとスワイプするだけでアクセスできるわけです。
WHOとAHAと協力し健康維持に最適な運動量を分析
また数週間前に「Google Fit」もアップデートされましたが、今回のアップデートでウォッチフェイスから左方向にスワイプすると、Google Fitが起動するようになっています。
———Google Fitも今回のアップデートの目玉なのでしょうか?
Barr氏:そうですね。新しいバージョンでは「通常の運動」と「強めの運動」の目標達成と心拍数が、表示されるようになっています。これまでは「1万歩」を目標に設定していました。しかし、WHO(世界保健機関)やAHA(アメリカ心臓協会)と協力し、健康維持に最適な運動量を満たすことができるように科学的に分析したなかで、歩数を数えるだけでは不十分ということがわかりました。
WHOは心拍数のあがる1分間に100歩を越える早歩きのような、ある程度負荷の高い強めの運動を1週間で150分以上という目安をあげています。そこで新しいGoogle Fitでは、一般的なウォーキングなど通常の運動は分単位で表示。強めの運動は「ハートポイント」という単位で、ランニングやエアロビクスなどをすると、その運動量にあわせてポイントが貯まっていく仕組みになっています。
これらの数値を1週間単位で管理することで、健康を維持するためにどれくらい運動したか、また必要かがすぐにわかるようになっています。グーグルのWear OSを担当しているチームとしても、ユーザーに「健康的な生活を送って欲しい」という思いがあるので、今回のアップデートでは強化ポイントとしました。
———以前と比べてWear OS端末のバッテリーの持続時間が長くなっているように感じますが、なにか対策はしているのでしょうか?
Barr氏:バッテリーは非常に重要視しているポイントで、グーグル内ではWear OSのバッテリーを専門に取り組んでいるチームもあり、毎月のアップデートなどで改善に努めています。改善方法としてはハードウェア側とソフトウェア側の両面で試行錯誤していて、新しい技術などを常に導入しています。
またさらなるアップデートも予定していて、来年前半にはもっと具体的な改善ポイントを提供できると思います。
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