週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

前モデルからの進化点は少ないが欠点も少ない優等生「Xperia XZ2」

2018年09月17日 12時00分更新

シングルカメラながら撮影画質は満足必至

 Xperiaはカメラ性能が高く評価されているスマホだ。Xperia XZ2は、前モデルと同じく約1920万画素の「Motion EYE」カメラシステムを採用。ソニー製の「Gレンズ」、1/2.3型のメモリー積層型イメージセンサー「Exmor RS for mobile」、そして、ソニーのデジタル一眼カメラでも用いられる画像処理エンジンをXperiaに最適化した「BIONZ for mibile」で構成される。シャッターチャンスを逃さない「先読み撮影」や、スーパースローモーション撮影などに対応していることがアドバンテージで、スーパースローモーションは初めてフルHD画質でスロー再生に対応した。

カメラモジュールは前モデルXZ1と同等で、ソフトウェア面での進化が図られている

 「カメラ」アプリの使い勝手もシンプルでわかりやすく、ほとんどの撮影シチュエーションでは初期設定の「プレミアムおまかせオート」で撮影できる。最近、AIによるシーン・被写体の認識機能をアピールする機種が増えているが、Xperiaの「プレミアムおまかせオート」は、その先駆けのような機能と言ってもいいだろう。「先読み撮影」は「オート」に設定しておくと、被写体が動くシチュエーションで、自動で有効になる仕組みだ。

「プレミアムおまかせオート」での撮影画面の例。オートフォーカスは素早く、被写体が動くと、すぐに「先読み撮影」が起動する

 撮影画質は見たままに近い色で、室内や曇天でもかなり明るく撮れ、夜景もシャープな画質が得られた。

※作例は原寸大で掲載しています。データ通信量に度注意ください。

景色を撮影した作例

夜景を撮影した作例

人物を撮影した作例

 デュアルカメラを搭載するスマホが増えているので、個人的にはシングルカメラでは物足りなく感じるのだが、実際に撮影してみると、ほとんどの被写体はシングルカメラでフォローできそうだ。XZ2のカメラは、かなり被写体に近づいてもピントが合うのだが、そうしたクローズアップ撮影を行った場合、ほどよい背景ボケも得られる。「どうしてもデュアルカメラを使いたい」というのであれば、Xperia XZ2 Premiumを選ぶといいだろう。

クローズアップで撮影すると、後方はナチュラルにボケる

 なお、前モデルも4Kビデオの撮影に対応していたが、XZ2では4K HDRビデオでの撮影にも対応している。筆者は、残念ながら4K画質での再生環境を持っていないのだが、4Kディスプレーを持っている人には、動画撮影機能も大きなアドバンテージとなるだろう。


「4K HDR」で撮影した動画作例。21秒で91.1MBだった

 フロントカメラは、前モデルは約1320万画素と高画素だったが、XZ2は約500万画素へとスペックダウンしている。しかし、セルフィー画質は及第点。人物や静物を撮影して3D画像を作成できる「3Dクリエーター」は、XZ1では背面のメインカメラのみの対応だったが、XZ2ではフロントカメラでも利用できるようになっている。

フロントカメラで撮影した作例

自分の3D画像を作成できることは、XZ1にはないXZ2のアドバンテージ

パフォーマンスは現行機種でトップクラス

 初期搭載OSはAndroid 8.0。CPUにはSnapdragon 845(2.8GH×4コア + 1.8GH×4コア)を採用し、メモリーは4GB、内蔵ストレージは64GBという構成だ。

「Antutu Benchmark」アプリで、ベンチマークを測定したところ、「260713」という高スコアをマークした。上位モデルのXperia XZ2 Premiumと同等の結果で、現在発売されているスマホの中ではトップクラスのパフォーマンスを期待していいだろう。

5回計測した中での最高スコア

 Xperia XZ2から搭載された新機能に「ダイナミックバイブレーションシステム」というものがある。音楽や動画、ゲームを楽しむ際に、音やアクションに合わせて振動する仕組みで、振動の強度は選択でき、オフにもできる。必ずしも必要な機能ではないが、映画を観たり、ゲームをプレーするときの臨場感が増すのは確かだ。

Xperia独自の「ミュージック」アプリだけでなく、「Google Play Music」を聴くときや、「YouTube」を観るときにも有効

音を大きくできない状況などで重宝。ただし、すべてのゲームタイトルが対応しているわけではない

 Xperia XZ2は本体の上下にスピーカーを内蔵し、横向きにすると左右にフロントスピーカーが位置するスタイルになる。前モデルから音量が約20%アップされており、かなりボリュームをあげても、音が割れたり歪んだりしないことも魅力だ。

【まとめ】Xperiaユーザーの2年以上ぶりの機種変更にオススメ

 Xperia XZ2は、前モデルから大幅なデザイン変更が行なわれたものの、機能面では前モデルから継承するものが多く、マイナーチェンジという印象が強い。Xperia X Performance、Xperia Z5など、2年以上前に発売されたモデルからの機種変更であれば、進化の恩恵にあやかれるであろうが、Xperia XZシリーズ(XZ//XZs/XZ1)からの機種変更は慎重に検討すべきだろう。ディスプレーやカメラの性能を重視するなら、上位モデルのXperia XZ2 Premiumを選ぶのが得策だ。

 ただし、Xperia XZ2 Premiumは、スペックが高いからと言って、全方位でXperia XZ2より優れているというわけではない。持ちやすさではXperia XZ2に軍配が上がるし、ディスプレーの解像度はXperia XZ2のほうが低いものの明るさでは勝るように感じた。

カメラ性能を重視するなら、デュアルカメラのXperia XZ2 Premium(左)も要検討

ディスプレーの明るさを最大にして比較。Xperia XZ2(右)のほうが明るく、高コントラスト

 また、Xperiaシリーズは、従来通りの開発サイクルであれば、年内に “Xperia XZ3” が発表・発売されることが予測される。迷うのであれば、待つのも一考だ。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事