『バーンスタイン:交響曲第2番《不安の時代》』
クリスチャン・ツィメルマン、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、サイモン・ラトル
「私が100歳になった時、この“不安の時代”を演奏してほしい」との頼みに応えて、クリスチャン・ツィメルマンが、今、サー・サイモン・ラトル/ベルリン・フィルと協演した。バーンスタイン記念の年にふさわしいアルバムだ。舞台設定となる第二次世界大戦の不安感から、現代の普遍的な不安に至るまで、壮大な不安を見事に描きだしている。ツィメルマンの共感性と深い解釈、大オーケストラとピアノの絢爛な音色感が、作品性を彩る。2018年6月、ベルリン・フィルハーモニーでのライヴ録音。細部までの磨き込みが見事な録音だ。トラック1の「バーンスタイン、《不安の時代》を語る」は貴重な肉声での本人解説だ。
FLAC:96kHz/24bit
Deutsche Grammophon、e-onkyo music
森山直太朗、2年振りの新アルバム。第1曲「群青」は、シンプルなギター伴奏による独唱から始まる。森山らしい明快で分かりやすい世界観が、ギターとパーカッションの伴奏によって、クリヤーに浮き立つ。途中で、スネアのスナッピー(鉄線)が加わるあたりから、曲に音色感が加味され、さらにストリングスが入り、フィナーレはまるでビートルズのア・デイ・ザ・ライフ的な高揚を聴かせる。11曲目「時代は変わる」は、1960年代のアメリカンフォーク、もしくは岡林信康的、かまやつひろし的のミックス的な、懐かしい世界観だ。音像再現が明瞭で、各楽器の描写もとてもクリヤーだ。
FLAC:96kHz/24bit
Universal Music、e-onkyo music
エクスペリアCMで有名になったマリンバ奏者、SINSKE。音色が多彩で、ある時はやさしく、心に染みいる音色感で、あるときは強靭に音を張る。第1曲「花」はカバー。この曲の持つ優しい、共感的な世界観を見事に描いている。第2曲「情熱の花」はオリジナル曲。親しみやすい旋律が続き、途中で激しいパーカッションが加わるが、またもとの静謐な世界に戻る。ソロ楽器としてはセンターに定位しているが、その音像は大きすぎず、適度なサイズ感を聴かせてくれる。響きも過剰でないのが、好ましい。
FLAC:48kHz/24bit、WAV:48kHz/24bit
キングレコード、e-onkyo music
『チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、ほか』
ユリア・フィッシャー、ロシア・ナショナル管弦楽団、ヤコフ・クライツベルク
従来はe-onkyo musicでのPENTATONEはリニアPCMのみだったが、再発タイトルにはDSDが加わる。PENTATONEとDSDはひじょうに相性がよい。質感の豊かさ、音場の豊かさ、粒立ちの細やかさというDSDの特徴は、PENTATONEが持つ音調の特徴そのものであり、PENTATONE=SACDというイメージが強い。なので、いまe-onkyo musicでPENTATONEのDSD音源が買えるのは、嬉しいことだ。本アルバムはユリア・フィッシャーのPENTATONEデビュー盤となるチャイコフスキーのコンチェルト。作曲者への深い共感性と、揺るぎないテクニック、繊細で華麗な音楽性は、DSDで十全に聴ける。2006年4月、モスクワでのセッション録音。
FLAC:96kHz/24bit、WAV:96kHz/24bit、DSF:2.8MHz/1bit
PENTATONE、e-onkyo music
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