8月23日のニコンに続き、キヤノンが同社初のフルサイズ・ミラーレスカメラ「EOS R」を発表した.「R」は「Reimagine optical excellence」であり、ニコンの「Mirrorless ReInvented」とコンセプトも似ている.
発表会でカメラをいろいろと触ったうえ、レンズ選びも悩んできたのでレポートしよう.
初期のEOSを彷彿とさせるデザインに
キヤノンの最新技術を投入
発表会もニコンと似ていて、登壇した真栄田社長がキヤノンの歴代名機とともにEOSの歴史を紹介.そして、新しいマウントを採用した「EOS R」を発表した.
EOS Rの新RFマウントは内径54ミリでフランジバックは公式には発表されていませんが、説明員によると20ミリだそうです.
ちなみに、ソニーのEマウントは内径46ミリでフランジバックは18ミリ、先日発表となったニコンのZマウントは55ミリと16ミリです.マウントの直径は大きいほど、フランジバックは短いほどレンズ設計がしやすい(ニコン&キヤノン談)そうです.とはいえ、ボディサイズからすると径もフランジバックも小さいほうがコンパクトなボディを設計しやすくなるので、どこが勝ち負けともいえません.
実機を持った感触は「あれ、ちょっと重くない」でした.ニコンのZ7は675グラムで、同時発表の標準ズーム24-70mmF4は500グラムですから、合計は1175グラムですよね.
EOS Rは660グラムで、24-105F4は700グラムですから合計1360グラムになります.カメラで185グラムの違いは大きいですよね.カメラ自体はニコンのほうが15グラム重いので、これは標準ズームの差ということになります.
ちなみにソニーのα7RM3の重さは657グラムで、24-70mmF4が426グラム、24-105mmF4が663グラムです.キヤノンとソニーはレンズ内に手ブレ補正機構が入っていますからそのぶん重くなるのは理解ですね.
ミラーレスの命であるところのEVFの見栄えはのスペックは、Z7もEOS Rもおまけにソニーα7の最新モデルもみんな同じで、359万ドットの有機ELで、画素数でいうと1280×960ドットのQVGAです.デバイスと接眼部の間の光学設計は3社の違いとなるわけで、Z7は倍率0.8、アイポイント21ミリ、EOS Rは0.76倍の23ミリ、αは0.78倍で23ミリです.業界としては、倍率は高くてアイポイントは長いほうがいいことになっています.
撮像素子ですが、ソニーαでは現状1220万、2420万、4240万という系列で、初代の7Rは3640万でした.
ニコンは1625万、2082万、2432万、3635万で昨年のベストセラーD850が4575万画素でしたから、Z7は同じ画素数にしたわけですね.
キヤノンの一眼レフは2020万、2620万、5060万で、5DM4が3040万画素ですよね.今回のEOS Rはそれに近い3030万画素です.具体的には最高で6720×4480ドットでございます.
Z7は8256×5504ドットで、α7RM3は7952×5304ドットですから、EOS Rはちょっと寂しいですね.とはいえお値段の違いもありますから.
ニコンZ7はボディのみで約44万円、α7RM3は約38万円、、EOS Rは26万円です.けっこう違いますね.レンズ込みだと、先述の標準ズームたちになりますが、ニコンはキットがあって合計で約51万円、ソニーは約49万円、キヤノンはレンズがけっこう高くて(約17万円)、合計は約42万円となります.
すいません、ハナシが完全に比較になってしまいましたね.キヤノンの発表会に続いて、タッチアンドトライ会場で、同時発表の4つのレンズをどう組み合わせて買うべきか考えました.
標準ズームレンズ
RF24-105mm F4 L IS USM
16万7400円(税込)
大口径標準単焦点レンズ
RF50mm F1.2 L USM
35万1000円(税込)
大口径標準ズームレンズ
RF28-70mm F2 L USM
45万3600円(税込)
広角マクロレンズ
RF35mm F1.8 MACRO IS STM
8万1000円(税込)
ニコンと同様にレンズラインアップの充実と
手ブレ補正+5060万画素の「R1」の登場に期待しよう!!
発表会後に合計1時間ほど使っただけですが、またまた強烈に欲しくなりました.レンズは最初は35ミリでしょうかね.取材にも役立つし散歩にも持っていき安そうです.
そうそう、ソニー、ニコンとEOS Rの違いですが、ひとつ大きいのが「ボディ内手ブレ補正」がないという点です.撮像素子を上下左右に動かして手ブレを打ち消す機構がEOS Rには入っていないんですよね.なので、レンズを選ぶときにも「IS」つまり光学式手ブレ補正を内蔵しているものでないと、静止画撮影時には手ブレ補正がききません.今回の50mmと28-70mmは内蔵していないので注意しましょう.
というわけで、キヤノンおたくとしては、バッキバキな解像度のフラッグシップ「EOS R1」と、もう少しお手頃な大口径レンズを出していただきたいです.お願いしますね~~
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