ボーズは9月6日、「BOSE NOISE-MASKING SLEEPBUDS」を発売した。
見た目は完全独立型のイヤホンだが、機能としてはデジタル技術を活用した耳栓だ。
新開発のイヤーチップによって、周囲の音を遮音するともに、スマホから転送した環境音を再生することで、いびきや周囲の騒音などを意識せず、快適な眠りに付ける点が特徴となる。本体は直径1㎝程度と小さく、これに柔軟性の高いStayHear+ Sleepチップを組み合わせている。本体は1.4gと軽い。
スマホアプリとはBluetoothを使って接続するが、Bluetoothイヤホンのように音楽を聴くための機能は持たない。10種類あるサウンドファイルや音量、再生する時間を選ぶことができるだけだ。イヤーチップによる遮音と、周囲の音をマスキングする音によって、使い手に騒音を感じさせない点を目的としている。iOS版、Android版アプリを用意する。
ANC(Active Noise Canceling)やワイヤレス再生機能などを使うと、電池寿命が減るため機能は絞ったようだ。バッテリー駆動時間は付属の充電ケースと組み合わせることで最長16時間となる。
昼と夜で遮断すべきノイズは異なるというコンセプトで、遮音性を確保しつつ快適な装着性と、音を薄く流すことによってちょっとした騒音も気にならないようにする機種とした。開発にあたっては、騒音管理、音響学、音響心理学、電子回路微小化、ワイヤレスヘッドフォン、神経学に精通した人材によるチームを編成。米国のクラウドファンディングIndiegogoを通じて登場。プロトタイプを3000人の出資者に配布し、意見を収集したのち、製品版の完成までこぎつけるといった、同社としては初の試みによって完成した。
装着感は軽く、何より小さいため、寝返りなどをうって枕に耳を押し付けた場合でも負担にならない。イヤーピースの感触もソフトであり、長時間つけていても痛くなったりしなさそうだ。音に関しては、騒音をマスクする効果に最適化したもので、詳しい説明は得られなかったが、単純に現実世界の音を収録しただけのものではないようだ。
価格は3万2400円と耳栓として考えれば高価には感じる。とはいえ新しいタイプの製品である。興味を持った人は、本当に快適な睡眠が得られるかどうかをぜひ試してもらいたい。個人的には、これだけ軽くて着け心地のいい製品であるなら、音楽再生も楽しみたいと思ったが、睡眠と言う用途に絞って、ドライバーなども音楽再生用とは異なるものを採用しているとのこと。音楽再生については求められる再生能力が異なり、同社の製品ライナップの中でも別の機種が担うことになりそうだ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります