HDDメインのゲーミングPCは時代遅れ
10万円以下でSSD&6コア!8086K水冷OCもイケるツボを押さえたFRONTIERゲーミングPC4選
水冷&Core i7-8086Kでオーバークロックに挑戦
全コア5GHzで安定&低発熱駆動を目指す!
今回紹介する最上位モデル「GBシリーズ FRGB8086/ASC」のCPUは、TB時で1コアのみ最高5GHzで動作する「Core i7-8086K」。このCPUは「Intel 8086」40周年記念となる限定モデルで、第8世代Coreのこれまでの最上位モデル「Core i7-8700K」よりも高速なモデルとなっている。
ただし、5GHzまで上昇する頻度は少ないようで、多くのベンチマークソフトでCore i7-8700Kとほとんど性能が同じとなっている。せっかく5GHzまで上昇する能力があるハズなのに、そのポテンシャルが活かされていない状況だ。
そこで、このポテンシャルを最大限まで引き出すため、全コア5GHzオーバークロック(以下、OC)にチャレンジしてみよう。OCは動作の保証は受けられないし、故障しても自己責任となってしまうものの、成功したときの性能の伸びは魅力的だ。
なお、性能が上がるぶん消費電力も発熱も大きくなってしまうため、しっかりとCPUを冷却できるクーラーが必要となる。幸い「GBシリーズ FRGB8086/ASC」は標準で水冷クーラーを搭載しているため、特にパーツなどを換装・追加することなく試してみた。
OCというと難しいイメージがあるが、実はマザーボードのUEFI設定で「Ai Tweaker」を開き、「Load CPU 5G OC Profile」という項目を選ぶだけで全コア5GHz OC動作の設定が完了する。あっけないほど簡単だ。この設定を使って5GHz化したときの性能を比べてみよう。
なお、性能比較には定番のベンチマークソフト「CINEBENCH R15」を使用。CGのレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるベンチマークソフトで、動作クロックやコア数の違いが反映されやすいテストとなる。結果は「cb」という独自単位の数値で表示され、この数値が高いほど性能が高いことになる。
結果は定格での動作ではマルチスレッドスコアーが1437cbだったのに対し、全コア5GHz OCで動作させた場合は1665cbにまで上昇。約15.9%ほど高速化された計算だ。ほんの少しUEFIの設定をいじるだけでこれだけ性能が上がるのであれば、試さないわけにはいかないだろう。
ただし、OCには相応のリスクがある。「HWiNFO」というソフトを使い、CINEBENCH R15実行中のCPUの温度を見てみたところ、最大で99度まで上昇してしまっていたのだ。
水冷クーラーのおかげか熱暴走などもなく、問題なく動作しているように見えるのだが、さすがにこれは心配になってしまう温度。そこで、UEFIの設定をさらに変更し、なるべく発熱が大きくならないように工夫してみた。
設定のポイントは2つ。ひとつは「DIGI+VRM」の設定で「CPUロードラインキャリブレーション」を「Level 6」にしたこと。もうひとつは、CPUコア電圧をAutoではなく、手動で「1.260」という値に変更したことだ。この設定を行なうことでCPUに加わる電圧を低くし、発熱を防ごうという狙いだ。
この設定で同じようにCINEBENCH R15実行中の温度をチェックしてみたところ、最大99度まで上昇していたCPU温度が88度まで落ちていることが確認できた。ここまで温度が下がってくれれば、長期間の利用でも安心できそうだ。
OCは保証対象外となってしまう上に、失敗すれば最悪壊れてしまう危険もある。しかし、ちょっとした設定の変更で性能が大きく上昇するというのは、なんとも言えない魅力がある。危険は承知の上で、どこまでOCできるか挑戦するというのも、高性能PCの楽しみ方のひとつと言えるだろう。
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