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HDDメインのゲーミングPCは時代遅れ

10万円以下でSSD&6コア!8086K水冷OCもイケるツボを押さえたFRONTIERゲーミングPC4選

2018年09月14日 11時00分更新

水冷&Core i7-8086Kでオーバークロックに挑戦
全コア5GHzで安定&低発熱駆動を目指す!

 今回紹介する最上位モデル「GBシリーズ FRGB8086/ASC」のCPUは、TB時で1コアのみ最高5GHzで動作する「Core i7-8086K」。このCPUは「Intel 8086」40周年記念となる限定モデルで、第8世代Coreのこれまでの最上位モデル「Core i7-8700K」よりも高速なモデルとなっている。

 ただし、5GHzまで上昇する頻度は少ないようで、多くのベンチマークソフトでCore i7-8700Kとほとんど性能が同じとなっている。せっかく5GHzまで上昇する能力があるハズなのに、そのポテンシャルが活かされていない状況だ。

 そこで、このポテンシャルを最大限まで引き出すため、全コア5GHzオーバークロック(以下、OC)にチャレンジしてみよう。OCは動作の保証は受けられないし、故障しても自己責任となってしまうものの、成功したときの性能の伸びは魅力的だ。

 なお、性能が上がるぶん消費電力も発熱も大きくなってしまうため、しっかりとCPUを冷却できるクーラーが必要となる。幸い「GBシリーズ FRGB8086/ASC」は標準で水冷クーラーを搭載しているため、特にパーツなどを換装・追加することなく試してみた。

 OCというと難しいイメージがあるが、実はマザーボードのUEFI設定で「Ai Tweaker」を開き、「Load CPU 5G OC Profile」という項目を選ぶだけで全コア5GHz OC動作の設定が完了する。あっけないほど簡単だ。この設定を使って5GHz化したときの性能を比べてみよう。

 なお、性能比較には定番のベンチマークソフト「CINEBENCH R15」を使用。CGのレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるベンチマークソフトで、動作クロックやコア数の違いが反映されやすいテストとなる。結果は「cb」という独自単位の数値で表示され、この数値が高いほど性能が高いことになる。

UEFIの設定にある「Load CPU 5G OC Profile」。基本的にはこれを選ぶだけで全コア5GHz化が可能なのだが……。ちょっとした問題点もある。

標準状態でのマルチスレッドスコアーは「1437cb」。「CPU」はすべての論理コアを使うマルチスレッドの場合、「CPU(Single Core)」は1つの論理コアだけを使ったシングルスレッドの場合のスコアーとなる。

全コア5GHz OCの設定にした場合のマルチスレッドスコアーは「1665cb」。誤差ではなく、スコアーが大きく伸びているのがわかるだろう。

 結果は定格での動作ではマルチスレッドスコアーが1437cbだったのに対し、全コア5GHz OCで動作させた場合は1665cbにまで上昇。約15.9%ほど高速化された計算だ。ほんの少しUEFIの設定をいじるだけでこれだけ性能が上がるのであれば、試さないわけにはいかないだろう。

 ただし、OCには相応のリスクがある。「HWiNFO」というソフトを使い、CINEBENCH R15実行中のCPUの温度を見てみたところ、最大で99度まで上昇してしまっていたのだ。

CPUを安全に動作させるなら90度以下に抑えておきたいが、現実は99度とかなり高い温度になっていた。

 水冷クーラーのおかげか熱暴走などもなく、問題なく動作しているように見えるのだが、さすがにこれは心配になってしまう温度。そこで、UEFIの設定をさらに変更し、なるべく発熱が大きくならないように工夫してみた。

 設定のポイントは2つ。ひとつは「DIGI+VRM」の設定で「CPUロードラインキャリブレーション」を「Level 6」にしたこと。もうひとつは、CPUコア電圧をAutoではなく、手動で「1.260」という値に変更したことだ。この設定を行なうことでCPUに加わる電圧を低くし、発熱を防ごうという狙いだ。

CPUのコア電圧をコントロールする「CPUロードラインキャリブレーション」の設定を変更。今回試した限りでは、Level 6、もしくはLevel 7を選ぶとよさそうだった。

CPUコア電圧は手動で設定。この値を低くするほど発熱は抑えられるが、CPUが不安定になりやすい。「1.260」で試したところ不安定になることもなく動作した。

 この設定で同じようにCINEBENCH R15実行中の温度をチェックしてみたところ、最大99度まで上昇していたCPU温度が88度まで落ちていることが確認できた。ここまで温度が下がってくれれば、長期間の利用でも安心できそうだ。

電圧を下げたところ、最大温度が99度から88度まで減少。UEFIの設定を細かく詰めると、高速化しつつ発熱も抑えられる。

 OCは保証対象外となってしまう上に、失敗すれば最悪壊れてしまう危険もある。しかし、ちょっとした設定の変更で性能が大きく上昇するというのは、なんとも言えない魅力がある。危険は承知の上で、どこまでOCできるか挑戦するというのも、高性能PCの楽しみ方のひとつと言えるだろう。

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