デバイスの分解方法などを紹介するiFixitが、8月8日に販売・出荷を開始した「Magic Leap One Creator’s Edition」の分解レポートを公開している。Magic Leapは製品に関する情報をほとんど公開しないまま、合計23億ドル(およそ2550億円)以上を資金調達し注目を集めてきた“謎のMR企業”だ。このレポートでは「3Dモデルなどが現実に存在しているかのように見せる」と謳う2295ドルのハイスペックデバイスMagic Leap Oneがどのような構造になっているのかを詳細に報じている。
2295ドルのデバイスを徹底的に分解
バンドと顔に接する部分を取り外すと、アイトラッキングに用いるIR(赤外線)エミッターが見える。IRエミッターは個別にコントロール可能でなく、ひとつにまとめられている。レンズ部分についてiFixitは「驚くほど作りが粗い(ugly)」と辛辣だ。エッジの黒色の部分は手塗りのようも見えるほど。
レンズからIRエミッターを外すと、アイトラッキング用の4つのIRカメラがフィルター部分に取り付けられている。カメラは片目につき1箇所のみだ。分解結果を元にiFixitはMagic Leapの光学系についても考察している。
iFixitはプロセッサとバッテリーを内蔵した「Lightpack」もしっかり分解。基板上の部品ではヒートシンクなど接着剤で止められている箇所もあるようだ。
Lightpackには、NVIDIAのプロセッサ、サムスンのDRAM、そしてバッテリーなどが搭載されている。バッテリーを取り出すためには、まずこれらの基板を取り外さなければならない。これは「そもそもバッテリー交換を想定していない作り」であるとiFixitは述べている。
iFixitは総括として「製品自体は高額な作りで、製品耐用期間は厳密に調整が効くように設計されている。しかし、より耐用性を高める、といった視点が欠けており、短命な製品である」とコメントした。
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