トレンドの変化は起きるのか
筆者が注目しているのは、今後も引き続き、高画質化されたテレビに人々の注目が集まり続けるのかという点です。どこでも利用できる5インチのスマートフォンと、50インチの家庭用高画質テレビという両極端に触れており、家の中での10インチクラスのタブレットの出る幕がなくなってしまっているようです。
家庭に限らず、映像を楽しむ手段としてVRヘッドセットがあります。前述のレポートでは、市場規模は12億ドルで前年比18%増となっていました。ちょうど2018年は199ドルで単体で利用できるVRヘッドセット、Oculus Goが発売となるなど、より身近な存在になりつつあります。
テレビよりも可能性があるとすれば、スマートフォンと同様、パーソナルなデバイスという点です。
テレビは家の中に1台あれば成立しますが、もしVR体験、あるいはパーソナルなディスプレイという点で普及が始まれば、VRヘッドセットはスマートフォンと同じように人数分必要になります。テレビに代わる映像手段という認識を拡げられると、テレビを上回るトレンドを作り出せるかもしれません。
カギは高画質化、バッテリー、そして快適性です。これらを考えると、やっぱりまだまだテレビが楽。この楽さ加減を打破する革新が起きるかどうか、注目しておきたいところです。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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