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ハイエンド機に力を入れるソニー

ソニーが高級時計と同じ表面加工で、ほぼ30万円のイヤホン発表

2018年09月01日 14時30分更新

 IFA 2018の会場で、ソニーが「Signature」シリーズのイヤホンとして発表したのが「IER-Z1R」だ。コンセプトはコンサートホールの特等席で聞いているような“空気感の再現”。そして“音楽の楽しさの提供”を目指すハイエンドイヤホンだ。

ソニーの有線イヤホンで最上級のラインナップになる「IER-Z1R」

 ハイレゾ対応イヤホンであり、100kHzの高域までをカバーする。イヤホン構造は低音~低中高域を担当する12mmのダイナミック型ドライバー、高域用のBA型ドライバー、超高音域用の5mmダイナミック型ドライバーの3ウェイ構成。ハイブリッド式のイヤホンとしてもあまり例のない構成だ。

 3つのドライバーを、1つのインナーハウジングに取り付け、最適な位相で音が合わさる「リファインドフェイズ・ストラクチャー」構造を採用。ドライバユニット後方部の拡張音響空間に極細の音響管を接続する(サウンドスペースコントロール)で、周波数特性をコントロールする。これらはすべてソニーが新規開発したもので、実に豪華な構成で作られたモデルと言える。

高級時計で用いられるペラーシュ加工が施されたハウジング

 イヤホンのハウジングはジルコニウム合金製で、表面には高級時計等で用いられるペラーシュ加工が施された。組立工場も、ソニーのプロフェッショナル向け製品を手がける国内工場で生産される。欧州での販売価格は2200ユーロ(約28万3899円)だ。

アーティストに向けたIER-M9/IER-M7

 ハイエンドのイヤホン・ヘッドホンとしては、モニター系イヤホンの「IER-M9」「IER-M7」も展示されていた。上述の製品同様、香港ハイエンドショーで先行披露されたモデルで、世界リリースという形になる。

 IER-M9/IER-M7は、ソニーが初めて送り出すステージモニター(IEM)だ。ソニーミュージックの協力、そしてPAエンジニアとのコラボーレーションによって生み出したハイエンド機で、「演奏者自らが奏でる音色」「各楽器間のバランス」「正確なリズム」の再現をイヤモニとして必要な高音質として開発目標に掲げたそうだ。

ショーケース内でのデビューとなった「IER-M9」

同じくショーケースに出展された「IER-M7」

 内部には新開発のBAドライバーを搭載。複数ドライバーを使うマルチBAシステムで、IER-M9がBAドライバーを5基搭載(Low、mid1、mid2、High1、High2)。IER-M7ではBAドライバーを4基搭載(Low、mid1、mid2、High1)。IER-M9のHigh2にあたる高音域は、比剛性の高さと内部損失の高いマグネシウム合金を振動板に使ったBAドライバーユニットによって実現している。

 モニター用途を想定して遮音性も高めており、ノイズブロック構造によってユニバーサルイヤホンとして業界最高性能の遮音性能を実現した。なお、IER-M9/IER-M7の2機種のハウジングは素材がことなり、それぞれマグネシウム合金/樹脂製となる。

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