ソニーはドイツ・ベルリンで開催中のIFA 2018にてプレスカンファレンスを開催。新モデルとしてスマートフォンの「Xperia XZ3」をはじめ、ワイヤレスのノイズキャンセリングヘッドフォン「WH-1000XM3」や有機ELテレビの「AF9シリーズ」などが発表された。
プレゼンには冒頭、ソニーの吉田憲一郎社長兼CEOが登壇。同社の経営方針として「Getting Closer to People(人に近づく)」を表明。たとえば音楽や映像などのクリエイターとユーザーの両者は、作品によってつながっているが、そのつながりを近づけるための役割をソニーが担うというわけだ。
その際に重要なポイントは「リアルタイム」であると吉田氏は説明し、現在でもいくつかのシーンでリアルタイム性に貢献しているソニー製品の例を挙げている。たとえばスポーツ中継では、デジタルカメラのαシリーズがプロのカメラマンから選ばれており、白熱したゲームの一瞬を写真として切り取ってユーザーに届けている。
また映像でのスポーツ中継も120fpsやHDRで撮影可能な3板センサーの8K業務用カメラシステムをリリースしており、高品質な映像をユーザーに届けることができるという。そのほかオリンパスと協業している医療機器や自動運転などに使われるイメージングセンサーといった分野も「リアルタイム性」を重視して、人が近づくためソニーが取り組んでいると分野である説明。今後は5Gの通信技術により、リアルタイムの重要性がますます高まっていくとのことだ。
吉田氏のあとは、テレビやオーディオなどAV機器の最新モデルプレゼンのため同社のホームエンタテインメント&サウンド事業を担当している高木一郎専務が登壇。吉田氏が示した「人が近づく」ための製品として、まずはテレビの最上位モデル「MASTER SERIES」に位置する4K有機ELテレビの「AF9」シリーズと、液晶パネルを使った「ZF9」を発表。どちらも高画質プロセッサーとして次世代の「X1 Ultimate」を搭載。従来モデルと比べて2倍のリアルタイム画像処理能力を実現しているという。
また両モデルには「Netflix Calibrated Mode」を搭載。これはNetflixのストリーミング映像を自動で最適に表示する機能で、高木氏はこの機能をクリエイターの意図をする画質に近づけられる機能であると説明した。
コンシューマー向けの製品としてはそのほか、Bluetoothを使ったワイヤレスノイズキャンセリングヘッドホンの最新モデル「WH-1000XM3」を発表。以前のモデルに比べて、人の声や雑踏といった中高域のノイズを大幅に低減できるようになり、重さも20gほど軽くなっているので装着感もアップしているという。
高木氏に続いて登壇したのは、ソニーグループの中でスマートフォンを担当しているソニーモバイルコミュニケーションズの岸田光哉社長。IFA 2018ではスマートフォンのフラッグシップモデル「Xperia XZ3」を発表。岸田氏は「Xperia XZ3」の特徴として、有機ELパネルの採用をあげている。有機ELパネルの効果は高画質化はもちろん、ある程度カーブさせたデザインもできるため、エッジ部分に丸みをもたせた曲面ガラスが使えるなど、デザインの自由度にも貢献しているという。さらにXperia XZ3では、エッジを丸めたデザインを活用してエッジ部分をタップしたりスワイプしたりといった動作で操作する「サイドセンス」も紹介した。
新製品として発表されたものは、いずれの製品もクリエイターが作り上げた作品をどう伝えるか、そしてその作品をユーザーがどう受け止めるかに使われる製品ばかりで、「人が近づく」というコンセプトを体現しているわけだ。
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