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グーグルが躍進したスマートスピーカーの現状と「声」のインターフェイスデザイン

2018年08月23日 10時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII編集部

プロダクトとインターフェイスのデザイン

 非常にプライベートな場所に入り込む。スマートスピーカー市場でGoogleの躍進を作り出した「Google Home mini」のデザイン思想には、個人の空間に密接に関わることを重く受け止めて作られたというストーリーが、2018年5月に開催のGoogle I/Oで披露されました。

 Google Homeのプロダクトデザインに携わったハードウェアデザイナー、Isabelle Olsson氏は、カラフルで柔らかな印象を与えてくれるGoogle Home miniについて、グレーの色だけでも150回も光の環境を変えてテストしたそうです。それ以上に、Googleのアシスタントのキャラクターにもこだわったとふりかえっています。

 「いかに親しみやすいデザインかを考え抜き、あとはひたすら、音声のクリアさに膨大な時間をかけました。製品の開発には数年しかかかりませんが、アシスタントはGoogleにとって驚くほど重要で、その存在は将来の企業の核となるからです」(Olsson氏)

 Googleアシスタントのキャラクター作りには、検索画面の日替わりGoogleロゴ「Doodle」を主導するRyan Germick氏が参画しているのは意外な事実です。DoodleはGoogleのブランディングだと語るGermick氏は、不気味で、創造的で、学びがあり、興奮に値する、そんなDoodleが作り出すGoogleの暗黙のキャラクターを、Googleアシスタントに与えようとしていると、その意図を話しました。

 一方、クリエイティブサイドも、声のインターフェイスをどうするのか、取り組みが始まっています。世界最大のクリエイティブソフトウェア企業であるAdobeは、Adobe XDというユーザー体験のためのデザインツールを無料で公開しています。

 AdobeでCreative Cloudを担当するエグゼクティブバイスプレジデント、Scott Belsky氏によると、声のユーザー体験デザインは、モバイル、AR、VRとともに、シームレスに行なわれるべき、との考えを示しました。

 Adobeは2018年10月に、クリエイティブイベントのAdobe MAXを開催します。その中で、声のインターフェイスデザインについて、多くが語られるかもしれません。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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