PlayStation 4(PS4)や、Xbox One X、Nintendo Switchなどのコンシューマゲーム機を、液晶テレビに接続しプレイしているユーザーは多いのではないだろうか。しかし、液晶テレビの多くは、一旦、映像の鮮明さを高めるために、数フレームの映像データを貯めてから処理するといった仕組みを備えている。こうした仕組みをスルーして映像を表示するゲーミングモードを備えた液晶テレビも登場しているが、それ以外では表示遅延が発生する。また、応答速度もPC用のゲーミング向け液晶ディスプレーに比べると遅いものが多い。
そのため、コンシューマゲーム機において、ワンランク上のゲーム環境を構築したいと考えるのであれば、PC用のゲーミング向け液晶ディスプレーの利用をオススメしたい。中でもエイサーの27型液晶ディスプレー「VG270bmiix」は、同社のエントリーゲーミング向けとなるNITRO VG0シリーズに属する製品で、応答速度は1msと高速性を実現していながら、2万6000円台という超お買い得。そのため、今回はこのVG270bmiixについて詳しく見ていきたいと思う。
「VG270bmiix」の主なスペック | |
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パネルサイズ | 27型ワイド |
解像度 | 1920×1080ドット |
表示色 | 1670万色 |
色再現性 | NTSC比 72% |
パネルタイプ | 非光沢、IPS方式 |
応答速度 | 1ms(VRB) |
コントラスト比 | 最大:100,000,000 (ACM)、通常:1,000 : 1 |
輝度 | 200カンデラ |
入力周波数 | 水平:30-85kHz、垂直:48-75Hz |
インターフェース | HDMI 1.4×2(HDCP2.2)、ミニD-Sub 15ピン、2W+2Wステレオスピーカー、USB 3.0 ポート(Type-A×4、Type-B×1) |
チルト | 上20°下5° |
サイズ/重量 | 約614×475×240mm/5.41kg |
ゲームジャンルに合わせたプロファイルとなるGame Viewモードを搭載
VG270bmiixは前述したように27型液晶ディスプレーである。液晶パネルには映り込みの少ないノングレアタイプのIPS方式を採用し、水平と垂直に178度という広い視野角を誇る。複数人でゲームをプレイする場合、若干左右にズレて画面を見ることになるため、この広い視野角は重宝するのではないだろうか。また、高さ調節はできないものの、上下-5度~20度までのチルト機能も用意されており、高さに関して困ることはないはずだ。
解像度は1920×1080ドットまで対応。PS4やXboxでは、4K出力のゲームも増えてきているが、PS4の場合PS4 Pro、Xbox OneもXbox One SまたはXbox One Xでなければ4K出力に対応していない。また、1秒間に液晶が画面を描画できる回数を表すリフレッシュレートは75Hzまでとハイエンドなゲーミング液晶よりも低いですが、120Hzモードを備えるXbox以外のコンシューマーゲーム機では、60Hzまでしか対応していない。
もちろん、4K出力や120Hzに対応したXbox One Xなどを所持していたり、予算に余裕があるなら、4K表示やHDRに対応している同社の「ET322QKabmiipx」なども視野に入れたい。
しかしながら、通常のPS4やNintendo Switchなど、1920×1080ドットまでしか対応していないゲーム機を接続する場合や、解像度よりもコスト重視と考えているならば、本機はお買い得な価格で非常に魅力的だ。
応答速度は冒頭でも述べたように1msを誇り、即座に対応が必要となるFPSなどで活きてきそうだ。輝度は250cd/m2、コントラスト比は1000:1(Adaptive Contrast Management有効時は1億:1)と比較的明るめで明暗がハッキリと表示される印象。さらに、ゲーム中の暗がりといった画面の黒の強弱を10段階で調整することができる「ブラックブースト機能」を搭載。そのほか、眼精疲労の原因となる画面のちらつき、いわゆるフリッカーを軽減する「Flickerless」や、ブルーライトを抑える「BlueLightShield」を備えている点は評価できよう。
OSDにはプレイするゲームジャンルに合わせ映像設定をあらかじめカスタマイズした「Game Viewモード」を搭載。用意されているモードは、「アクション」「レース」「スポーツ」「ユーザー」「標準」「エコ」「グラフィック」「ムービー」の8つ。この中で、ゲームに関連した3つのモードを詳しく見ていくと、アクションでは、輝度やブラックブーストの設定は標準から変わりないものの、PC接続では「照準点」の設定が有効となり、画面中央に照準レティクルが表示され、FPSなどで優位に立ちまわることが可能となる。
続いて、レースでは輝度が標準の50から60に、ブラックブーストが標準の5から8へとともに高くなる。さらに、「リフレッシュレート数」という項目も有効となり、画面右上に現在のリフレッシュレートがリアルタイムで表示され、3つのモードの中で最も明るい画面設定となっている。液晶ディスプレー側でリフレッシュレート数を表示してくれる機能は、コンシューマゲーム機のリフレッシュレートを知りたい場合に非常にありがたい。
最後にスポーツでは輝度が25に抑えられている一方で、ブラックブーストは6と標準から少し引き上げられている。つまり、スポーツは若干暗めだが、黒い箇所を見やすくした設定というわけだ。また、これら3つのモードすべてで、解像度の低い画像を鮮明に表示させるスーパーシャープネスが有効になっており、これは解像度が低めなコンシューマゲームをプレイする際はありがたいのではないだろうか。
映像入力インターフェースは、背面にHDMI 1.4が2つにDsub 15ピンがひとつという構成。DisplayPortがないあたりは少し物足りないが、コンシューマゲーム機用と考えると十分な仕様と言える。また、これらのHDMI端子はHDCP 2.2に対応しているため、地デジチューナーを接続すれば、テレビを視聴することが可能だ。そのほか、ヘッドフォン端子を備え、2W+2W構成のステレオスピーカーも内蔵している。
実際に8月2日から配信が開始されたセガの「BORDER BREAK」をPS4 Proでプレイ。本作はアーケードで9年愛されたゲームがベースとなっているハイスピードロボットチームバトル。花形である強襲兵装のAC(アサルトチャージャー)を吹かした高速移動もヌルヌル動作し、射撃のヒット判定の遅延もほぼ感じず、快適にプレイできた。後述するようにフレームが薄いため、高い没入感も得られる。「VG270bmiix」の価格を考えれば満足度は高い。
©SEGA
コンシューマゲーム機での利用を主に語ってきたが、VG270bmiixはPC用としても十分な機能を備えている。そのひとつが、「ゼロ・フレームデザイン」を採用によるフレームの薄さである。複数枚並べた際に、VG270bmiixならディスプレーの境目を気にすることが無くならない点は、マルチディスプレーでゲームをプレイしているユーザーにとっては魅力的ではないだろうか。
さらに、AMDのディスプレー同期化技術である「FreeSync」にも対応しており、グラフィックスカードにRadeon搭載モデルを利用していれば、映像のティアリングやカクつきも抑えることが可能。FreeSyncはXbox Oneシリーズも対応しているため、Xbox Oneユーザーにもオススメできる。
フレームは実測で7mmほどとかなり薄い。見た目にもスタイリッシュで、複数枚並べた際にも境目が気にならないほどだ
コストパフォーマンスは抜群
実売で3万円を切る価格は魅力的
さて、機能性は申し分ないVG270bmiixだが、価格はエントリーモデルらしく実売で2万7000円前後と非常にリーズナブル。PC用と考えると、1920×1080ドットまでしか対応していない点など仕様に物足りなさはあるものの、コンシューマゲーム機をメインの用途に据えるのであれば、VG270bmiixはかなり魅力的な選択肢となる。テレビでプレイしているユーザーにとって、より快適なゲーム環境を構築できるVG270bmiixは一考の価値ありだ。
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