「サントリー 南アルプス PEAKER ビターエナジー」
サントリー食品インターナショナル
8月21日発売(1都10県。全国発売は10月)
200円前後
https://www.suntory.co.jp/water/tennensui/product/peaker.html
国産エナドリブームも今は昔
サントリーは自然派路線で勝負
エナジードリンクと聞いて「元気が出る」「追い込みに使えそう」と思う人はいても「健康」「自然」と考える人は少ないだろう。むしろそういうものと対極にあるのがエナドリ……なんてイメージがあるかもしれない。
そんな不健康な発想に喝を入れたいかどうかは定かではないけれど、ちょっと気になるエナジードリンクが出た。「サントリー 南アルプス PEAKER(ピーカー) ビターエナジー」。8月21日から東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、長野県、新潟県、山梨県、静岡県で発売。全国発売は10月から。
このエナジードリンクは2つの点で注目されるものだ。一つは名前の通りサントリー、つまり国産メーカーの商品であること。もう一つは、“自然派”をウリにしていること。
「近年のストレス社会などを背景に、『手軽に疲れを取りたい、元気になりたい』という需要が高まっており、エナジードリンク市場は伸長しています。しかし、市場が伸長する一方で、『エナジードリンクは化学的で人工的なイメージがある』や『何が入っているのか分からないので飲むのが少し怖い』などのお客様の声があることがわかりました」(サントリー)
そこで人工的ではない(とうたう)自然が育んだ素材を使い、苦味・強炭酸の刺激に着目して作りあげたのがPEAKER。エナジードリンクを聞いて多くの人がイメージするフレーバーとは一味違うのである。
では、“自然が育んだ素材”とは何か。「何が入っているのか分からないので飲むのが少し怖い」という声を受けてか、ニュースリリースではこまかく説明がされている。
まず、カフェインを含む茶葉である「グアユサ」を使用。また、ジンジャー、ミントも使ったほか、ホップと有機グレープフルーツ果汁が持つクセになる苦味と、強炭酸の刺激を掛け合わせることで、これまでになかったエナジー感を生み出したとのこと。甘味にも一工夫。てんさいを原料とした糖類であり、持続性エネルギー源であるパラチノースを使用しているそうだ。
一方で、カフェイン量は、従来のエナジードリンクよりも少ない1本(375ml)あたり45mg(ちなみにレッドブル250mlで80㎎)。525mlの緑茶飲料1本分とほぼ同等の量とのこと。カフェイン量をウリにする眠気覚ましバリバリな商品が多いエナドリ界では、たしかに異色かもしれない。
飲用スタイルにも提案がある。開栓してから飲み終わるまで自分のペースで楽しめるよう、持ち運ぶことができるように、従来のエナジードリンクは缶容器が主流であるのに対し、再栓可能なペットボトル容器を採用している。
思い起こせば4年ほど前、国内のメーカーが次々とエナジードリンクを発売し、各々の個性を競っていた……はずだった。ところがどっこい、レギュラーになった商品はほとんどなかった。理由はいろいろあろうけれども、やはりレッドブルとモンスターエナジーが強すぎたのだと思う。知名度はもちろん、エナジードリンクの味としてデファクトスタンダードになっている存在のこの2種類に勝つのは相当にキビしいはずだ。
完全に2大ブランドの前に力尽きたと思っていた国産ブランド、しかも自然派をうたう新エナドリとあって、飲まないわけにはいくまい。アスキー編集部のエナドリ番長・スピーディー末岡さんと一緒に飲んでみることにした。
ジンジャーエールのようなさわやか味
ただ、“売れる”味なのかは未知数
スピーディー末岡さん「これはエナジードリンクだと思うとちょっと意表をつかれるかもしれない。一番近いのはジンジャーエール。甘すぎないから、エナジードリンクのケミカルさが好きな人はいまいちかもしれないけど、苦手な人でも飲みやすい」
確かに、ジンジャーエールのような、ショウガの味わいが効いたテイストになってる。普通のエナジードリンクの味を想像すると「おや?」と思うかもしれない。そういう意味では看板に偽りなしとも言える。ビターでありながら苦すぎず、ほどよく甘みもあり、飲料としてきっちりまとめてある。さすがはサントリー。
問題は売れるかどうかである。などと書くと「いやいや、飲料は移り変わりの激しいものだし、長続きしないのが普通だよ」「レギュラー化するほどのものじゃない」と言われるかもしれない。しかし、エナドリ市場に殴り込みをかける以上、相応のインパクトがほしいと考えるのはぜいたくだろうか。自然派なのはわかる。ケミカルな匂いがしないのもわかる。ただ、地味ではある。エナドリ界で生き残る勝算があるのだろうかと言われると、ちょっと悩ましい。
エナドリらしからぬ味のまとめ方と自然派成分で個性はあるものの、市場で大人気になるかといわれると未知数。そうはいっても、レッドブルやモンスターエナジーのような典型的エナドリ味では、先輩の後塵を拝すのは待ったなしなので、この方向に舵を切った理由もわからないではない。ペットボトルという飲用スタイルの新提案も含め、PEAKERがどのように市場に受け入れられるのか、注目といえる。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!
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