Oculus RiftやHTC VIVEなど、ハイエンドなVRヘッドセットを使用するためには、必要なスペックを満たしたPCが必要となる。当初は価格などの理由からVR対応PCの普及はあまり進んでいないと思われていたが、昨今ではGPUの処理能力向上や価格低下も進んでおり、実際には「VR Ready」なPCが予想以上に普及している。
Road to VRの推計によると、ゲーム販売プラットフォーム・Steamユーザーのうち、およそ5360万人がVRに必要なスペックを満たしたGPU搭載のPCを所有しているという。
2015年末時点、半導体メーカーのNVIDIAは、市場に普及するVR対応PCの台数を1300万台と推計していた。当時VR対応のスペックを満たすGPUの価格帯は330ドル~650ドル(約3万6000円~7万2000円)。AMDのRadeon R9 290や、NVIDIAのGeForce GTX 970などのGPUが、最低限VRに必要とされていた。
1年前の2017年5月には、VR対応のGPUを搭載するSteamユーザーのPC台数は約2500万台と推計されている。その後GPUの低価格化、処理能力向上の結果、VR対応のPC台数は5360万と、2倍以上に増加したと考えられる。
なお、Road to VRは、次のような手法で数字を算出している。まずSteamは同意したユーザーから使用するデバイスのスペックデータを取得。サンプルデータによると、ユーザーの内26.32%がVR対応のGPUを搭載したPCを使用しているという。また、過去のデータおよび現在のコンカレントユーザー数から、最新のアクティブユーザー数は2億360万人と推計した。このアクティブユーザー数とVR対応のPC比率から算出し、5360万という数字を導き出したとのこと。
これは、2017年にリサーチ企業のSuperdata社が発表した売上推計台数、HTC VIVEが約66万台、Oculus Riftは約38万台という数字と比較して、文字通り“桁違い”な数だ。両社にとっては、VRヘッドセットの潜在顧客がこれだけ存在するのは良いニュースだろう。
ただし、この数値はOculusのVR対応GPUリストを参照していることや、プロ仕様のQuadroやTitanシリーズ、Radeon Proなどを加えていないこと、CPUではなくGPUのみを参照していることなどに注意して見る必要がある。実際はもう少々増減がありそうだが、VR対応のハイエンドPCはVRヘッドセットよりもはるかに多数普及していると言えそうだ。
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