スマホが汗と皮脂と雑菌にまみれる季節がやってきた
汗だくで通勤したり外回りしたりと、ビジネスマンにとっては辛い季節となってきた。そんなときでも肌身離さず使うのがスマートフォン。汗だくの手で触り、通話するたびに耳とほほに密着させ、ベトベトの汗とギトギトの皮脂が画面にこびりつく。女性の場合は、汗や皮脂よりも、汗を抑えるファンデーションが、通話後に付着することも。拭きたい!すぐに!いや、いっそのことジャブジャブ洗ってしまいたい!!
そんな思いに応えてくれるのが「泡タイプのハンドソープで洗える」と謳う富士通の「arrows Be F-04K」。ドコモ初のハンドソープ洗浄対応端末だ。さすが潔癖傾向の強い日本人ならではの国産スマホ。高温多湿の日本の夏には、やっぱり日本ならではのニーズを見越した機種がありがたいのだ。
「汚れ」よりも気になる「雑菌」
ただ洗えるだけでなく、「泡タイプのハンドソープで」洗えるようにしたのにも理由がある。汗や皮脂汚れも洗って取り除きたいもののひとつだが、それよりもさらに気になるのがスマホに付く「雑菌」だ。
我々の普段の生活では、さまざまな雑菌にふれる機会がある。電車のつり革やエスカレーターのベルト、ドアノブなどは、いろいろな人が触れるので、どんな雑菌が付いてるか分からない。そうしたところで手に付いた雑菌が、操作する手指を通してスマホにも付着する。逆もまたしかりで、スマホが汚れていれば、たとえ手をきれいに洗っていたとしてもスマホから手に雑菌が移ってしまう。
もちろん、たとえ多少の雑菌が付いていたとしても、平時なら人体に影響が出るほどではない。しかし、夏場はO157、冬場はノロウイルスなど悪質なウイルスが蔓延する時期もあり、夏場の炎天下で体力を消耗していたり、風邪気味の冬場などのウイルスはやはり怖いもの。
富士通コネクテッドテクノロジーズの調べによると、ATP拭き取り検査(細胞内にあるアデノシン三リン酸を発光させてその発光量を測る手法。単位はRLU“Relative Light Unit”で数値が大きいほど汚染されている)をしたところ、以下のような数値になったという。
ATP拭き取り検査の結果(富士通コネクテッドテクノロジーズ調べ) | |
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トイレの便座 | 8878RLU | 使い込まれたキーボード | 6000RLU |
毎日利用したarrows | 9053RLU |
まな板・包丁(合格基準) | 500RLU以下 |
泡洗浄したarrows | 182RLU |
毎日そのまま利用しているだけのスマホは9000RLUオーバーと、トイレの便座を超えるRLU値になる。一方、泡タイプのハンドソープで洗浄した場合は、182RLUと3桁まで減少。ハンドソープは、殺菌・消毒成分が含まれているものが多く、その効果はテキメンだ。食品に直接触れる包丁やまな板の衛生基準が500RLU以下なので、かなりきれいになることが分かる。
また、昨今よく公共トイレなどに設置されている殺菌・消毒用のエタノール消毒液。これでスマホを消毒してはどうか?と考える人もいるかもしれないが、ノロウイルスなど一部のウイルスについてはエタノール消毒では手洗いより効果が薄く、すべての菌に対して有効というわけではない。
雑菌から身を守るには、まず「手洗い」をきちん習慣づけること。そのうえで、クリーンなスマホを操作できるなら、何も恐れることはない。
実践:arrowsを泡タイプのハンドソープで洗ってみた
ということで、早速「arrows Be F-04K」を借りて、スマホの泡洗浄を実践してみた。
F-04Kは、IPX5 / IPX8の防水性能とIP6Xの防塵性能に対応したスマホで水には強い設計。arrowsの売りでもある画面が「割れにくい」スマホなので、保護フィルムいらずでも大丈夫。これも「泡洗浄」を可能にした理由のひとつだろう。ただ、それでもやっぱり保護フィルムを貼って保護したい!という方には、arrows Be向けの泡洗浄可能なフィルムも市販されているので利用するといいだろう。
まずは洗面所で泡タイプのハンドソープを使って洗ってみた。一応メーカーのサイト上には洗いかたと注意点が記載されたページが用意されている。利用できるものは、国内メーカーの泡タイプのハンドソープや食器用洗剤で、固形石鹸や粉石鹸、シャンプー、歯磨き粉などはNG。これは含まれている成分(本体を劣化するものや研磨剤など)のほか、端子や受話口、イヤホンジャック、マイクの穴などが、石鹸で目詰まりするのを防ぐためだろう。今回は、泡タイプのハンドソープで洗ってみた。
電源を切ったあと、ワンセグのアンテナがちゃんと格納されていることと、SIMスロットのカバーがしっかり閉まっていることを確認。ハンドソープの泡を手につけて広げてからスマホを洗った。泡タイプだと泡立てる必要がないので非常にラク。
実際やってみると、「スマホを洗う」という行為自体がかなり新鮮だ。最初はかなり恐る恐るだったが、それでも手の中できれいになっていく端末をキュッキュとこするのは気持ちいい!!
洗い終わったら、水で流す。端子や受話口、イヤホンジャック、マイクの穴などは汚れが付着しがちなので、しっかり流したほうがよいとのこと。しっかり水で流したあとは、水滴をタオルなどで拭き、よく振って水抜きをする。今回は雑菌が取れたのか検査したわけではないので分からないが、とにかく汗や皮脂、手垢で汚れた画面や本体裏面がキレイさっぱり。匂いも消えるし、単に布で拭いて汚れを伸ばすよりは数倍キレイ。
試しに、キッチンで食器用洗剤でも洗ってみた。食器用洗剤でスマホを洗いたいなんてことあるか?と疑問に思っていたのだが、家内によれば、料理レシピを調べたりするため、キッチンでスマホを使う機会が多い主婦などにはありがたいとのことだった。なるほど。キッチンで使うとなると油跳ねや食材、調味料などの汚れも気になるところ。食事の油汚れにはやはり食器用洗剤か。
食器用洗剤を原液のまま掛けるのは控えたほうが良いとのことなので、手にとって泡立ててからスマホを洗った。ただ泡タイプのハンドソープと違い、泡たてるのがちょっと面倒。なので一旦スポンジに含ませ、泡たてたものをスマホに掛けたほうがラクだ。あとは水で流し、よく水を切って拭き取れば清掃完了。食器用洗剤は、除菌作用と油を分解する成分が入っているので、付着した皮脂や手垢を落としたいときにも便利かもしれない。
「きれい好きな日本人ならスマホがきれい」が当たり前の世の中に
スマホケースを利用している方なら経験があると思うが、ケースを外すと、ケースで覆われた部分と露出した部分でかなり汚れ方が違うのが分かる。また、露出部とケースとの境に汚れが溜まっているのが気になる方も多いのではないか。これを拭き取るだけでなく、洗い流せたら……。そんな願望をかなえてくれるのが、「泡タイプのハンドソープで洗えるスマホ」なのだ。こういう日本人魂をくすぐる仕様は、日本メーカーじゃないと生まれない発想だろう。筆者としては、飼い猫が置いておいたスマホの上に吐いたり、便器に落としてしまったりと、スマホを手ひどく汚してしまった経験があり、「スマホが洗えるってステキ!」と思った次第。帰宅したら「手洗い」「うがい」「スマホ洗い」を当たり前にしたい。我が家の家訓にしたいくらい。もちろん、ビジネスの現場でも、取引先の前で取り出すスマホはきれいなほうがいいに決まってる。日本を訪れる海外旅行者が、道にゴミが落ちていないことに驚嘆するという話はよく耳にするが、「きれい好きの日本人はスマホまでいつもきれい」なんて言われるようになる日も近いかも?
ドコモ「arrows Be F-04K」の主なスペック | |
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メーカー | 富士通コネクテッドテクノロジーズ |
ディスプレー | 5型液晶 |
画面解像度 | 720×1280 |
サイズ | 約72×144×8.3mm |
重量 | 約146g |
CPU | Snapdragon 450 1.8GHz (オクタコア) |
内蔵メモリー | 3GB |
内蔵ストレージ | 32GB |
外部ストレージ | microSDXC(最大400GB) |
OS | Android 8.1 |
最大通信速度 | 下り最大150Mbps |
VoLTE | ○(HD+) |
カメラ画素数 | リア:1220万画素(F値1.9) /イン:500万画素(F値2.4) |
バッテリー容量 | 2580mAh |
FeliCa/NFC | ○/○ |
ワンセグ/フルセグ | ○/× |
防水/防塵 | IPX5,8/IP6X |
生体認証 | ○(指紋) |
USB端子 | Type-C |
連続待受時間(LTE/3G) | 約530時間/約570時間 |
連続通話時間(LTE/3G) | 約1080分/約790分 |
カラバリ | White、Black、Pink |
提供:富士通コネクテッドテクノロジーズ
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