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アスキー格安SIM通信速度比較 第103回

格安SIMに通信速度を求めるならサブブランドを選ぶべき理由

2018年06月12日 18時00分更新

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 本日は、ASCII倶楽部で2018年6月2日に公開した「格安SIMに通信速度を求めるならMVNOを選んではいけない理由」を紹介します。


 格安SIMにすると、「毎月のスマホ代が安くなる!」という非常に大きなメリットを得られます。auやドコモ、ソフトバンクといったキャリアと契約していたときは、「自分が使わないオプション」などに加入する必要がありますが、格安SIMでは「自分が使うオプションだけ加入する」という方式が主。そのため、必要最低限のプランを決めることができ、月額料金を安く抑えられます。

 月額料金を安く抑えられる一方で、格安SIMにもデメリットはいくつか存在しています。大きいところで言えば、「サポート体制」や「一部のスマホがキャリアでしか買えない」などなど。そして、それ以上に大きいと言われるのが「通信速度」です。auやドコモ、ソフトバンクといったキャリアと、格安SIMでの最も大きな違いと言っても過言ではありません。

 キャリアから格安SIMに乗り換えたことで、「月額料金は安くなったけど、通信速度がものすごく遅くなった」と頻繁に聞きます。

 格安SIMにおける速度などの「通信」に関わる部分は、とてつもなく多くの人が注目をしている要素。およそ1ヵ月前に「mineoの通信の最適化問題」というニュースが非常に話題になりました。このニュースの詳細は割愛しますが、トラフィックの混雑時(朝、昼、夕方以降)に、テキストや静止画を圧縮するなどをして、混雑時の通信速度を改善する、というのが目的。しかし、こうした「最適化を適宜実行する」などという文言は約款には記載していたものの、適応する(つまり、実施する)とはユーザーに対して報告してなかったことで、大きく問題となったのです。

「マイネ王」スタッフブログ 通信の最適化の実施内容について より

 mineoでも取り上げられているように、一部の時間帯では通信回線が非常に混雑します。とくに格安SIMは大きく影響を受けることが多く、特定の時間帯では「ネットにつなぐときにものすごく遅くなる」ほど。回線が混雑しやすい特定の時間帯というのは主に以下です。

・7:30~8:30
・12:00~13:00
・18:00~19:00
※上記はすべて平日での時間帯。mineoも上記の時間帯に「通信の最適化」をしている

 いずれもスマホを使う人が大きく増える時間帯と言われています。「7:30~8:30」は通勤通学時、「12:00~13:00」は昼休み時、「18:00~19:00」は帰宅時という人が多く、スマホを使う人が増えるわけです。

 キャリアのスマホを契約している人はあまり気にならないと思いますが、格安SIMを利用していると、上記の3つの時間帯では「冗談抜きで通信速度は遅い」です。念のため書いておきますが、トラフィックが混雑するのはmineoだけではなく、ほぼすべての格安SIMに同じことが言えます。ただ、mineoのように通信の最適化をほかの事業者もやっているのかは不明です。

人気格安SIMの12回線の通信速度を計測して「速度を明確」にする

 メールやメッセージアプリの送受信、ウェブサイトやSNSの閲覧、動画サイトの視聴、アプリのインストールなど、スマホではご存知のとおり「通信を必要とする場面」が非常に多いです。通信を必要とする場面が多いにもかかわらず、「格安SIMの通信速度は遅い」と言われているのも現実。

 先述したように、格安SIMに乗り換えることで、毎月のスマホ代を安く抑えられます。ですが、安く抑えられる代償として「通信速度」を犠牲にしているとも言えます。ただ、「漠然と『遅い』」と言われているものの、どれだけ遅いのかというのは「通信速度は実際に使わないとわからない」のです。

 そこでASCII倶楽部では今年1月から、人気格安SIM12回線を契約し、平日(ほぼ)毎日通信速度を計測しています。実際に格安SIMの通信速度を計測することで、「それぞれの格安SIMはどれくらい速い(or遅い)のか」「一番速い格安SIMはどこなのか」などを明確にするため。計測しているレギュレーションは以下です。

ASCII倶楽部で測定している格安SIM

・IIJmio(ドコモ回線)
・BIGLOBEモバイル(ドコモ回線)
・OCNモバイルONE(ドコモ回線)
・LINEモバイル(ドコモ回線)
・mineo(ドコモ回線)
・mineo(au回線)
・DMMモバイル(ドコモ回線)
・nuroモバイル(ドコモ回線)
・UQ mobile(au回線)
・Y! mobile(ソフトバンク回線)
・b-mobile(ドコモ回線)
・楽天モバイル(ドコモ回線)

ASCII倶楽部 格安SIM通信速度測定レギュレーション

調査場所:東京都新宿区 神楽坂
調査時間:12時、15時、18時
調査方法
1、速度測定には「Google スピードテスト」を使う
(グーグル検索で「スピードテスト」と検索すると利用可能)
2、各調査時間でSIMごとにそれぞれ5回ずつ計測し、中央値を算出する
使用端末:ASUS「ZenFone Live」
※掲載している通信速度はASCII倶楽部が独自に計測した内容です。通信速度を計測する場所、機材、時間帯によって通信速度は変動するため、実際の通信速度を保証する内容ではございません。

 ASCII倶楽部での格安SIMの通信速度を計測する時間は、トラフィックが混雑しやすい12時と18時に加え、15時台にも速度を計測しています。15時台でも計測している理由は、「回線の混雑が緩和され、その格安SIM『本来の速度が出る』」と思われるから。スマホを使う人が混雑しやすい時間に比べて減るので、通信回線が空きやすい時間です。

 余談ですが、ここ最近「Googleで『スピードテスト』と検索すると、通信速度を計測できる!」と騒がれていますが、実は結構前からできる計測方法で、今年1月から開始したASCII倶楽部での格安SIMの通信速度計測でも当初から利用しています。

グーグルのスピードテスト(表示している速度はWi-Fi使用時)

格安SIMの通信速度は「少し場所を変えるだけで」大きく変化する

 上記のレギュレーションをご覧いただいた方はわかると思いますが、いま現在、格安SIMの通信速度は東京都・神楽坂駅付近で計測しています。ここでは5月(ゴールデンウイーク明け)から計測していて、1月から4月末までは東京都・飯田橋駅付近で計測していました。

 計測場所を変えた理由は「複数の場所で計測することで、違いがあるのではないか」と予想したため。実際、5月になってから格安SIMの通信速度は、以前に比べてとてつもなく大きく変化しました。

 5月も終わってしまったので、今回の記事では「飯田橋駅付近で計測した4月1ヵ月間の通信速度の平均値」と「神楽坂駅付近で計測した5月1ヵ月間の通信速度の平均値」をそれぞれ公開します。4月1ヵ月間の通信速度のデータはこの連載でも何度も紹介していますが、場所を変えた神楽坂駅付近での1ヵ月間のデータは本記事が初公開です。
 都内に土地勘のある方ならご存知だと思いますが、飯田橋駅から神楽坂駅までは徒歩でも15分程度。距離にして1.5km弱です。

Googleマップでの飯田橋駅から神楽坂駅までの距離と徒歩移動での時間。歩いても15分弱

 それではさっそくですが、1ヵ月間ごとの通信速度のデータをご覧ください。まずは4月1ヵ月間の飯田橋駅付近で計測した通信速度データです。


 続きは「格安SIMに通信速度を求めるならMVNOを選んではいけない理由」でお楽しみください。

 なお、こちらの記事の続きを読めるのはASCII倶楽部会員の方限定です。

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