シャープは6月11日、大阪府立大学生命環境科学域と共同研究で、業界初とうたう犬の自律神経バランスを数値化する技術を開発し、これを応用した「犬向けバイタル計測サービス」事業に参入したと発表。第1弾として、ペット関連商品やサービスを開発する関連企業向けの計測・解析サービスと、研究機関向けの計測システムのレンタルサービスを開始する。サービス開始は7月1日から。価格は計測・解析サービスが受託内容に応じ見積り、計測システムレンタルサービスは月8頭ぶんで40万円〜。
犬向けバイタル計測サービスは、測定した犬の自律神経バランスや、呼吸数・心拍数のデータを利用者に提供。ペット関連企業向けには、犬に寄り添った関連商品・サービスの開発加速を目的に、バイタル計測に加えてデータ解析も含めてサポートする。研究機関向けには、犬の健康管理に役立つ新たな発見に繋げることを目的に計測システム一式を貸出すサービスも実施。今後は、獣医師向けシステムも検討するとのこと。
犬特有の心拍変動パターンを独自のアルゴリズムを用いて分析することで、自律神経バランスの数値化を実現。ペット向け製品・サービスの開発者・研究者向けの参考データを提供する。また、大阪府立大学と共同研究した新規の解析アルゴリズムで、解析データを提供。心拍数や自律神経バランスの数値化に加え、呼吸数も心拍変動解析から算出する。これにより、自律神経バランスを加味した犬の健康状態を総合的に俯瞰するデータを提供するとのこと。
さらに、独自構造のハーネス型ウェアラブルセンサーは獣医師監修のもと、装着性を簡便化し、犬への負担を低減するとともに、データを正確に取得するための密着性を確保。多くの犬種で剃毛せずにバイタル計測ができるとしている。
日本におけるペットの飼育頭数は1800万頭を超えており、約半数を犬が占めているという。多くが家族の一員として扱われている一方で、症状が進行して初めて動物病院を訪れるケースも多く、犬の医療費の高額化が社会的課題となっているとのこと。
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