週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

5G時代にはXperiaカーも誕生する!?

2018年06月12日 06時00分更新

 2018年5月23日~25日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されていた通信関連イベント「ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2018」の会場で、特に目立っていたのが、ドコモが展示していた「ニューコンセプトカート」だ。

5Gを活用するコンセプトカー

 5G時代を見据えた、コンセプトカーとして開発されたものとなる。2017年10月に発表され、国内展示会で披露されたのち、2018年2月にはスペイン・バルセロナで開催された世界最大の通信関連展示会「Mobile World Congress」でも出展された。それまでは単なる展示だけだったが、ワイヤレス・テクノロジー・パークでは実際に走行できるモデルに進化していた。

 ニューコンセプトカートの車外には、複数の4K液晶ディスプレーとソニーのデジタル一眼カメラ「αシリーズ」に採用されている、35mmフルサイズ Exmor R CMOSセンサーを5台、搭載している。

 3人乗りとなっており、車でいえば、フロントガラスの部分にも4K液晶ディスプレーが内蔵されている。もちろん、5G通信に対応し、実際に通信しながら走行することが可能だ。

「ニューコンセプトカート」

 では、これが5G時代にどのように活用されていくのか。

自動運転よりも実現が近い遠隔運転

 車外に取り付けられたCMOSセンサーは、人間の眼よりも多くの情報を認識できるとされている。特に夜間、人間だとあまり前が見えないような環境であっても、35mmフルサイズ Exmor R CMOSセンサーであれば、きっちりと車の前の様子を捉えることが可能だ。

 35mmフルサイズ Exmor R CMOSセンサーと5G通信を組み合わせることで、遠く離れたところから、CMOSセンサーで捉えた映像を見つつ、5G通信でカートを遠隔運転するということが可能になるのだ。もちろん、夜間であっても問題ない。

 昨今、自動運転車の開発競争が本格化しているが、実際に自動運転で車を走らせるというのは、技術的にまだまだ課題が多いと言われている。

 しかし、このカートのように、自動運転ではなく、車の周辺をCMOSセンサーで捉え、高画質の映像を遠隔地に送り「遠隔運転」という形であれば、実用化はかなり速いのではないか、と期待できる。

 「自動運転」よりも現実的な方法としての「遠隔運転」が、高解像度のCMOSセンサーと5Gの組み合わせで実現できるというわけだ。

 では、車外に埋め込まれた6枚の4K液晶ディスプレーは何に使うものなのか。

 実は、35mmフルサイズ Exmor R CMOSセンサーが周りにどんな人がいるかを撮影し、人工知能がその属性を判断。その人にあった映像広告を4K液晶ディスプレーに流すといったことを視野に入れている。

 たとえば、このカートが街中を走っている際、周辺に女子高生がいたら、人工知能が女子高生が買いそうなモノのCMを流すといったことが可能になるのだ。

 実はこのカートの開発はソニーが手がけており、車体には、ソニーのスマホ「Xperia」のブランドがついている。つまり「走るXperia」というわけだ。確かに、複数のカメラとディスプレー、通信機能が付いているという点ではスマホと変わらない。まさにスマホに車輪をつけて、走れるようにしたのが、このカートといえなくもない。

 将来的には、本当にXperiaブランドで、車が発売されるという日もやってくるのかもしれない。


■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この特集の記事