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FiNCはデータレイク、DataSignはブロックチェーンのお話し

身体もWebサイトも健康一番!ヘルスケアとプライバシーのX-Tech

2018年05月30日 07時00分更新

DataSign~ブロックチェーンを用いたプライバシーポリシー正当性証明システム~

 続く講演に登壇したのは、DataSignの太田祐一氏だ。同社は、Webサイトをスキャンして使用サービスを特定するサービスやクッキーポリシーの自動生成サービスなどを提供している。もともとDMP(データマネジメントプラットフォーム:Cookie情報を収集・整理し、提供するサービス)やMA(マーケティングオートメーション:見込み顧客の開拓から商談までのプロセスの一部を自動化、効率化するツールや仕組み)の業界に身を置いてきた太田氏は、Cookieデータ売買におけるプライバシー問題をつねづね懸念。データがどこからどこに流れたか透明性を確保できる仕組みはないかと考え、ブロックチェーンを用いた流通システムを開発、創業したという。

DataSign 代表取締役社長 太田祐一氏

 太田氏は、少し前いろいろ話題になった「漫画村」をスキャンしたところ、GeenieやYahoo!のプロモーション広告を含む16サービスを検出(1月12日時点)。さらに詳細を見ると、たとえばバリューコーマスが提供する「Adpresso」のリクエストURLが漫画村からWebサイト「http://world-watch-web.net/」に抜けていることが判明。このWebサイトは高級時計の販売サイトで、漫画村の閲覧者からは見えない“隠しサイト”。漫画村を閲覧すれば同サイトも閲覧されたことになり、広告収入はそのまま漫画村に入るという仕組みだ。もちろん、広告主は違法サイトに広告が掲載されているとは思っていない。

DataSignのWebサービスから漫画村の隠しサイトの存在が明らかに

 また、問題は違法サイトへの広告掲載ばかりではない。たとえばオラクルが買収したAddThisというサービスではソーシャルボタン表示ツールを提供しているが、実は裏で電話などのデータを収集、売買していると太田氏は明かす。

 例としてNTTデータの公式サイトを取り上げた太田氏は、同サイトのプライバシーポリシー内の項目『Cookieを利用した広告配信』で、同サイトではGoogle、Yahoo!、NTTレゾナント、クロスリスティングの広告サービスを活用し、特定のWebページを訪問したときに広告配信されるようCookieを利用していると記載。オプトアウトページへのリンクを貼っている。しかし、同サイトをスキャンしたところ、それ以上の広告サービスが検出されたという。

 「特に問題と感じたのは、データ販売業者のeXelate、LiveRamp、Lotame、ShareThisです。こうしたサービスは、知らないうちに入り込んでいることがほとんど。どんなサービスが潜り込んでいるかをチェックし、必要に応じてブロック、プライバシーポリシーにきちんと明記することは、今後ますます求められると思います」

プライバシーポリシーに記載されていないWebサービスが潜り込んでしてまうのは、広告ネットワークの課題の1つ

ブロックチェーンノードの検証&ダウンロードがAWSの呪文で約1/3に

 そこで太田氏は、“どんな情報がいつ記録されたかという内容を改ざん困難にする仕組み”であるブロックチェーンにWebサイトからの通信を記録し、実際にWebサイトから出ている通信と一致する場合に認証マークを発行。情報の真正性を担保するというサービスを考えた。なお、ブロックチェーンを採用したのは「ベンチャー企業として信頼してもらうための仕掛けという意味合いもあります」と太田氏は述べる。

DataSignが提供する、ブロックチェーンを活用した内容の正当性証明システム。認証マークはまだ決まっていないとか

 もう少し詳しく見ると、Webサイトから出ている通信情報をハッシュ化し、Ethereumのノードに書き込んで書き換え不可能な状態にする。Webサイト運用者はそのハッシュを参照し、通信内容に齟齬がないかを確認、問題なければ認証マークが発行される。

ブロックチェーン正当性証明システムの構成

 このEthereumのノードで使っているのが、Amazon EC2だ。「ただ、フルノードを立てる場合、ヘタすると1週間くらいかかってしまいます。特に最初のダウンロードと検証はパワーが必要なため、非常に時間がかかります。最初はt2.mediumでやっていましたが、3日ほどかかってしまいました」(太田氏)という。

 そこで同氏は“インスタンスタイプの変更”を唱えた。

「インスタンスタイプのへんこう~」

「c5.xlargeに変更したところ、半日で完了できました。ダウンロードと検証が終わったら、t2.mediumに戻して運用。AWSさまさまです」

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