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積水化学、Secualと共同でIoT活用のスマートタウンマネジメント推進

2018年05月22日 09時00分更新

 積水化学工業株式会社は5月21日、IoTとセンシング技術を活用したまちづくりを行なうスマートタウンマネジメント事業を発表。IoTスタートアップである株式会社Secualなどをパートナーとして、共同でプロジェクトを推進する。

 共同事業の第1弾は、積水化学と朝霞市の協業「SESIKISUI Safe & Sound Project」にて開始となる。同事業はセキスイハイム約130戸の戸建住宅分譲を含むまちづくり展開であり、2020年の完工・まちびらきを目指す。

「SEKISUI Safe & Sound Project」イメージパース

 積水化学とSecualの共同開発内容としては、さまざまなIoTデバイス、センシングデバイスを活用したスマートタウンにおけるマネジメントプラットホーム開発を実施する。もともと両社では、光発電素材である積水化学のフィルム型色素増感太陽電池を電源として次世代セキュリティーセンサーの共同開発を実施してきた。

窓に張り付けて振動を検知するIoTセキュリティーセンサーを展開Secualは、次世代のセキュリティーセンサーとして、IoTのテーマの1つであるハーヴェスティングでのセキュリティーハードウェアを目指す形だ

 まちづくりは、積水化学東京工場の跡地、73000平方メートルの土地を活用する。環境貢献製品とスマートタウンマネジメントを主軸とした総工費130億円でのプロジェクトで、2020年に完成予定としている。またサポーターとして、Secualのほか株式会社カインズと商業施設で連動する。

 コンセプトは「安全・安心で、環境にやさしく、サステナブルなまち」。自発光中間膜、フィルム型太陽電池、スマート街灯、余剰電力の再配分といった先端技術の活用に加えて、朝霞市との景観協定、電線地中化、さらには街や家の防犯でSecualのシステムを導入するという。

 街中では、スマート街灯、スマートタグ、スマートロッカーをはじめとした各デバイスからデータを収集。一方で、自宅内ではスマートホームセキュリティーを展開。アプリを通じて総合的に収集されたデータから、住民には生活に役立つサービスが提供される。一方で総合的に管理・解析したデータでのフィードバックが目指される。

 サービスプロバイダーとしては、積水化学、Secual、テナント入居者、警備会社、データ解析事業者など。たとえば積水化学であれば、リフォームや住み替えまでサービスを一貫して提供する形となる。

 いまままでのタウンマネジメントは、いわゆる管理組合での業務受託や設備レベルでの分譲地管理や、地域コミュニティーづくりレベルだったが、それを街の価値・維持向上を目指した形で提供される形だ。蓄積された「家、街、人」のデータから新たなサービスを提供するまでが狙いとなっている。

積水化学工業株式会社の髙下貞二代表取締役社長

 積水化学としては、全社あげての街づくりスキームで、自社内、社外の技術を使って展開する。積水化学工業株式会社 髙下貞二代表取締役社長は、「日本の街づくりの課題、各種跡地利用をどうやっていくのかは大きな問題。バブル時代の老朽化したタウンという現実問題など、従来の街づくりはただ単に箱モノをつくるだけだった。環境問題、安全問題、高齢者、子育て、加えてSecualさんとのIoTを使った街。持続的に発展して何年たっても価値が残る街をつくっていかないといけない」と語っていた。

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