最近のスマートウォッチは機能を盛り込んだ高性能タイプよりも、アナログ時計スタイルにベーシックな機能のみを搭載した製品が増えています。とはいえアナログの文字盤上のスペースは限られています。スマートフォンからの通知を表示するにしても、文字盤の一部分だけをディスプレーにするにしても大した面積は得られません。
そんな問題を解決すべく、アナログとデジタルのいいとこどりをしたスマートウォッチが登場します。mim WatchがKickstarterで資金調達中のスマートウォッチ「mim X」は半透過型ディスプレー(TLD)を使うことで、アナログ時計ながらもデジタルディスプレーを備えたハイブリッド仕上げの製品なのです。
丸いスタイルのmim Xはデザインのよい腕時計にしか見えません。無地の文字盤の上にアナログの長針と短針を備えるのみという、ミニマリストなデザインです。しかし、文字盤を覆うガラス部分に秘密があります。このガラスはただのガラスではなく、透過型のディスプレーなのです。
ガラスにタッチしてディスプレーの表示をフルにさせると、ガラス面にデジタル時計、電池残量、歩数などが表示されます。デジタル時計は世界時計としても働き、アナログ時計と別の時間を表示させることもできます。モノクロ表示ですが情報の表示としてはこれでも十分でしょう。
内蔵の簡単なアプリを使う場合は、ディスプレー面にアプリを1つずつ表示してタッチ操作が行なえます。アプリは万歩計、心拍計、ストップウォッチ、スマートフォンカメラのリモートシャッターなど。また電話がかかってくれば通知され、電話のアイコンが表示されます。
メッセージも通知され、内容も表示されます。WEBの情報を見ると文字のドットは荒そうなので、日本語など2バイト文字には非対応、あるいは対応しても文字はきれいには表示されないかもしれません。このあたりは今後の後継モデルに期待となるでしょう。透過ディスプレーだからこそ文字表示が可能で、短文なら全文表示もできますから、ぜひ日本語対応モデルも開発してほしいです。
mim XはKickstarterですでに目標資金の100%を超え、250%近くの資金を集めています。一見するとアナログ時計ながらもデジタル表示ができる利便性が多くの人の興味を引き付けているのでしょう。透過型ディスプレーはさまざまな分野で利用されていますが、面積の小さいウェアラブルデバイスへの展開は有用かもしれません。mim Xのような製品が形を変えてこれからも出てくるかもしれませんね。
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