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ハンドルが自動的に動く衝撃! レベル4の自動運転に感動!

2018年05月11日 09時00分更新

 自動車メーカーのみならず、通信キャリアなども一体となって進めているクルマの自動運転化。auが福岡で自動運転の実験を行なうというので、取材した。

 自動運転は文字どおりクルマを自動で動かすことであり、自動車技術の基準を策定しているSAEインターナショナルがレベル0からレベル5までの定義をしている。それぞれの条件は以下を参照してほしい。

 レベル0から3までは、ドライバーの介入が必要とされており、実質的には「自動」運転ではなかった。しかし、今回の実証実験は完全無人になるレベル4だ。教習所という限られた施設の中のみだったが、運転席に誰も乗らずにハンドルが自動的に動いてS字やヘアピンカーブを抜けていくのは未来を感じさせた。さらに4Gネットワークを使って10kmほど離れた福岡国際会議場からの遠隔操作も行なわれた(今回はデモなので4Gとなったが、5Gで運用する予定)。

 auは2020年に5Gの商用化を目指しており、5Gを利用した自動運転を長らく開発してきた。このプロジェクトも、KDDI(au)とKDDI総合研究所、遠隔監視や制御システムを開発するティアフォー、自動運転用地図を作成するアイサンテクノロジーの4社が合同で進めている。

 ティアフォーは自動運転のOSとなる「Autoware」を開発しており、今回のデモカーにも組み込まれている。アイサンテクノロジーは地図の3Dデータを担当し、Autoware上で視覚的にわかりやすく見せている。さらに、自動運転は高精度な地図をダウンロードしたり、遠隔制御センターにデータを送るだけでなく、自動車に関する運行状況などさまざまなデータを頻繁に通信でやり取りするため、高速・大容量・低遅延の5G網の早急な整備が期待されており、auは5G時代には時速100kmでも安全に走行できるシステムを目指すという。

 デモに使用されたのはトヨタ・エスティマベースのクルマ。教習所を1周し、踏切で一時停止したり、上り坂でアクセルを踏んだり、S字カーブを綺麗にクリアしたり、障害物を遠隔操作で避けるなどの動作を見せてもらった。また、バーチャルYouTuberの「ミライアカリ」のナビゲートで、クルマに乗って1周したのでこちらは動画で楽しんでほしい。

ベースとなっているのはトヨタ・エスティマ

このレーダーが全方位を検知する

クルマの複数箇所にセンサーが取り付けられている

運転席に誰も座っていないことがわかる。また、サイドミラーには遠隔操作用のカメラが取り付けられている

手前の白と青の置物が障害物

踏切の前でしっかりと一時停止

坂道もぐいぐい登っていく

助手席はオペーレーター用の機材でいっぱい

リアハッチを空けると自動運転の心臓部分が。中央のノートPCでは「Autoware」を動かしており、モバイルルーターでデータ通信を行なっている。右側のボックスにはバッテリーが入っている

ノートPCは「Alienware」だった。Autowareはそれなりにマシンスペックが必要になるようだ

よく見るとスマホ(アルバーノ)も搭載されている

福岡国際会議場で開催中の「第16回 アジア太平洋地域ITSフォーラム2018福岡」から障害物をかわす部分のみ遠隔操作を行なった

遊園地のアトラクションではない、ドライバーがいないクルマに乗る不思議。2020年までにこの未来が現実になる!

自動運転レベル4デモンストレーション

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