2018年2月26日、出版科学研究所(公益社団法人 全国出版協会)が、2017年(1~12月期累計)のコミック市場の統計を発表した(「2017年のコミック市場規模発表 紙+電子で2.8%減の4330億円、紙は初の二桁減、電子は17.2%増」)。
紙と電子を合算したコミックス(単行本)の市場規模は前年比0.9%減の3377億円と減少したものの、その内訳は紙のコミックスが同14.4%減の1666億円と2桁の落ち込み、電子が同17.2%増の1711億円と成長を続けていることが明らかにされた。紙のコミックスの売り上げを電子コミックスが初めて上回ったという。
筆者の周囲だけを見ても、購入の手軽さや可搬性の高さ、さらには何冊買っても場所を取らないといった利点などから電子書籍愛好者は多く、興味を持っているという方になるともっと数多いという状況だ。
ただ、ここで問題になるのが「どこで電子コミック・電子書籍を買えばいいの?」という点だろう。電子コミック・電子書籍を販売している企業やサービスは、AmazonのKindleをはじめ複数存在しており、各サービスごとに専用アプリを使用しなければならない。紙の本ならばどこの本屋で買っても同じだが、電子書籍になるとそうはいかず、例えばBOOK☆WALKERで買ったマンガをeBookJapanのアプリで読むということは行なえない。そのため、どのサービスを利用するかが重要になる。そこで今回の記事では、各サービスについて閲覧アプリの使い勝手を重点的に比較してみたのだ。
比較するのはこの7サービス!
今回比較する電子コミック・電子書籍サービスは、「Amazon Kindle」「BookLive!」「BOOK☆WALKER」「eBookJapan」「honto」「紀伊國屋kinoppy」「楽天 kobo」の7ヵ所を採り上げる。
比較する点は、「PCを含む対応プラットフォーム」「ページめくりの方法」「書籍データの保存先が変更できるか」「書籍の整理の仕方」「ストアでの購入の際の違い」「支払い方法」「アカウント作成時にPCが必要かどうか」「簡単に退会できるか?」の8項目。それぞれの項目の意味については、実際に比較する時に解説する。
対応するプラットフォームは? PCを含む対応環境をチェック
今回紹介する7サービスは、PCやスマホ・タブレットなどの端末で動作するアプリを提供している。そこで、各サービスのアプリがどういった端末に対応しているのかを紹介したい(サービス独自のハードウェア端末は除外)。見開きなどの都合で大きい画面で読んだ方がラクなマンガはPCや大画面タブレットで、文字だけでよい小説はスマートフォンでといった使い分けをしたい人は参考にしてほしい。
一般的なスマートフォンやタブレット用OSであるAndroidやiOSは当然として、Windows PCやMac向けのアプリ、さらには各種ブラウザーでの閲覧が可能かどうかをチェックしてみたのだ。
どのアプリもAndroidとiOSには標準対応しており、一般的なスマートフォンやタブレットであれば閲覧可能となっている。Windowsの場合は、Windows用アプリかWebブラウザーを使う形態になっており、こちらも一般的なPCであれば支障なく閲覧できる。ただしBOOK☆WALKERにおいては、WindowsとMac用のソフトが今後アップデートされないことは注意したい。とはいえ、こちらもWebブラウザーを使っての閲覧は可能なので実際に不都合を感じることはほぼないであろう。
表1 電子コミック・電子書籍サービスの対応プラットフォーム | |||||
---|---|---|---|---|---|
対応プラットフォーム | Android | iOS | Windows PC | Mac | PC用Webブラウザー |
Amazon Kindle | ○ | ○(コミックと雑誌のみ) | |||
BookLive! | ○ | × | ○ | ||
BOOK☆WALKER | ○ | ○(非対応作品あり) | ○(アプリのアップデートはすでに終了。今後PCはブラウザーでの閲覧に注力) | ||
eBookJapan | ○ | ||||
honto | ○ | × | |||
紀伊國屋書店kinoppy | ○ | × | |||
楽天 kobo | ○ | × |
また今回の7サービスは、1アカウントに複数端末を登録可能で、しおりの位置や読んだ最終ページなどのデータを端末間で同期できるようになっている。例えば、通学・通勤中などの外出時はスマートフォンで電子コミック・電子書籍を読み、その続きは家のPCで読むといったことがシームレスに行なえるのだ。
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