「キックスタート」
4月10日発売
180円前後
サントリー
https://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/article/SBF0642.html
マウンテンデューが好きなんだけど、マウンテンデューのエナジードリンクが出るとは思わなんだというところ。
サントリー食品インターナショナルは「キックスタート」を4月10日から自動販売機限定で発売している。価格は180円前後。
ところで、キックスタートをあなたは知っていただろうか。筆者は知らなかった(恥じ入るばかり)。マウンテンデューのエナジードリンクラインで、海外では「LIMENADE(ライムネード)」などが出ているらしい。“KICKSTART”(直訳すれば「始動」。「キックスタート」とカタカナで使われることもありますね)というネーミングにはもうひと頑張りしたい時の気持ちが表現されているとのこと。
日本で発売するにあたり、20代~40代の男性をターゲットに日本独自の中味を開発したとのこと。つまり日本オリジナル。口当たりがよいというグレープ果汁の味わい(果汁10%未満)で、カフェイン、ビタミンB群(ビタミンB6、ナイアシン、パントテン酸)などの成分が含まれている。エナドリで果汁入りはめずらしくないが、「10%未満」という量はなかなかがんばっているといえよう。
マウンテンデューは1940年代、アメリカのテネシー州はノックスビルで飲料工場を経営していたバーニーとアリー・ハートマン兄弟により開発された。もともとはウイスキーに混ぜるレモン・ライム味のミキサーだったそうな。1964年にペプシコ(ペプシコーラでおなじみ)が販売権を獲得し、アメリカで販売網を広げたという。
日本では1981年に販売開始され、1998年には日本ペプシコーラの事業を分割し、製造・マーケティング機能をサントリーへ、営業・販売機能をサントリーフーズへ移管。同年、「セブンアップ」とおなじくサントリーの製品として本格発売を開始した。
そんなわけで、マウンテンデューのエナドリがサントリーから出てくるのはとても自然な流れともいえる。果汁を入れているのも、実は国内で生産されていたマウンテンデューにはみかん果汁を使っていた時期があり(現在は無果汁)、ノウハウがないわけではないのだ。
マウンテンデューは、1980年代に青春を過ごした人なら懐かしい飲み物かもしれない。コカ・コーラに押され気味な日本のペプシを牽引したのはマウンテンデューだったという説もあるそうだ。筆者は1986年生だが、大学生時代に通っていたビリヤード場になぜかマウンテンデューがあってよく飲んでいたことを記憶している。
そんなマウンテンデューがエナジー成分をまとったというのだから気になる。アスキーでもっともエナジードリンクを愛しているスピーディー末岡さんと飲んだ。
飲ん……。飲みましたけどね。なんですかねこれ。ぶどう味といえばそうなんだろうけど。粉ジュースですね。安っぽい味といえばそうです。チープなものが好きならいいかもしれないけど、いささかチープすぎやしないかという感もなくはないかな……。
後味の甘味料が舌に残る感じとか。マウンテンデューっぽさはあまりない。なんというか、懐かしいチープさがあるような気もする。しっかりぶどう果汁を使っているけれど、それまた、絶妙に「ぶどう味だけど、ぶどうじゃない」感の後押しになっているのだ。一言で言うと、炭酸+粉ジュースみたいな味。
マウンテンデューならではのさわやかな味わいもなく、エナジードリンクとしてはパンチがなく、なぞの粉ジュースになってしまったキックスタート。どういう人にすすめていいかもよくわからないというのが正直なところだ。ちょっと、さびしい気もする。
先述したように海外では「ライムネード」が出ているそうで、こちらのほうがマウンテンデューのもともとの味に近く、受け入れられやすいのではないかとも思っている。というか、なぜぶどうなのかもよくわからなかったなあ。
なんだかずいぶん歯切れの悪いレビューになってしまったが、不思議な立ち位置の味だった。ということで一つ。うーん。さびしいけど。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!
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