週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

公取委、4年契約やSIMロックなどについて議論する意見交換会を開催

2018年04月18日 23時00分更新

 公正取引委員会は、4月13日を第1回として「携帯電話分野に関する意見交換会」と名付けられた会合を開催している。第1回は非公開で開催されたが、サイト上に公開された資料から、今回の意見交換会で取り上げたい内容や方向性が見えてくるので紹介しよう。

公取委が用意した参考資料の1ページ目がこのグラフ。消費支出が過去10年の間に減少しているにも関わらず、携帯電話の通信費が確実に上昇している。その背景に寡占状態があるのではないかという考えが見えてくる

 そもそも今回の意見交換会は、2016年8月に公開された「携帯電話市場における競争政策上の課題について」と題された報告書について、その後にどのような変化があったのか、どのような新たな課題が生じているかについて整理し、あらためて報告書を取りまとめることを目的としている。

 その2016年8月の報告書で課題とされたのは以下の項目。

「通信契約と端末販売の分離」
「SIMロック」
「期間拘束・自動更新付契約(2年縛り)」
「MNOの通信網へのアクセス(HLR/HSS)」
「割賦契約の総額の固定化」
「中古端末の流通促進」
「OS/アプリ提供事業者による端末メーカーやキャリアへの条件付き契約」

 この中には、たとえばIIJやさくらインターネットによるドコモとのHLR/HSS連携など、課題が解決に進んだ項目もあれば、大きな変化が起きなかったり、問題が深化しているものも見られる。

 たとえば「通信契約と端末販売の分離」では、端末購入補助は抑制されるようになったが、通信料金のプランは基本的に値下がりしていない、端末購入補助をしない代わりに通信料金を通常より低くするプランは特定の端末の購入などを条件しているとし、参考資料では「docomo withはハイエンド端末では選択できない」「auのピタットプラン/フラットプランとその他のプランの間は端末を購入せずに変更できない」など、かなり具体的に取り上げている。

具体的なプラン名も含めて、取り上げられている

 また、「SIMロック」についても、「そもそもSIMロックは必要か(持ち逃げ対策はネットワーク利用制限で十分ではないか)」、「契約解除後の中古端末のSIMロック解除に3キャリアは対応しない(auは以前は対応していたのに、昨年12月から対応しなくなった)」と指摘する。

 「期間拘束・自動更新付契約」では、2016年の報告書でも長期契約と中途解約時の高額な契約解除料でユーザーを囲い込むことは競争政策の観点から望ましくないとしたが、現状は2年経過後に解除料無しで解約できるプランを導入しながらも、依然として期間拘束・自動更新付契約を選択するユーザーが多い現状を紹介。また、au/ソフトバンクにより、「アップグレードプログラム」「半額サポート」といった名称で開始された48回割賦の内容について詳しく説明を行なっており、これを議題にしていく意思が見られる。

auやソフトバンクが導入した48回割賦の仕組みについて説明されている

 これらに対するキャリア側の考えも公取委のサイトで資料が公開されており、第2回以降の議論にも注目が集まりそうだ。


■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります