気になるオーバークロック耐性はいかに?
さて、ここからは実行編です。設定解説時に作った4.2GHzの設定でWindowsを起動し、CINEBENCH R15を実行したところあっさりとクリアーしました。CPU温度も64℃までしか上がらず、動作もかなり安定していたので、今回の個体では常用が狙えそうなラインだと思います。
一方で、やはり気になったのは起動中のベースクロックの振れ幅です。100MHzで安定するのではなく、99.7~99.8MHzまで下振れしてしまう現象が確認されました。パフォーマンスに僅かながら影響する部分なので、今後のBIOS更新に期待したいと思います。
最終的に42.75倍設定での完走に成功し、マルチスレッドスコアは1901cbを記録。CPU温度が75℃までしか上昇しておらず、マザーボードの電源回路の発熱も少なかったので、まだまだ余裕があるように思えましたが、これより上ではベンチマークが完走しませんでした。
複数の個体を試さないと結論は出せませんが、今のところ常温環境での5GHz超えが狙えるほどのオーバークロック耐性はない印象です。シュリンクしたとは言え、オーバークロック時の挙動は第1世代と同じ傾向にあるようですね。
オーバークロック機能を搭載したASRockのソフトウェア「F-Stream」を使って無負荷時の最大動作クロックを確認したところ、4.439GHzまでのオーバークロックに成功しました。CPU電圧の設定スライダーが右に振り切っており心臓に悪いです。覚悟を決めてこの状態で「CINEBENCH R15」を実行してみましたが、当然の如くブルースクリーンになりました。
この検証から分かる通り、Ryzen 7 2700Xの4.35GHzという最大ブーストクロックは、限界動作クロックの約100MHz下となっていて、かなり攻めた値になっていることが分かります。メーカー純正チューンによって、僕がオーバークロッカーとしての職を失う日が近付いている事を感じさせます。引退した暁には地元の岡山県でラーメン屋を開く夢があるので、その日まで頑張りたいと思います。(泣)
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