ソフトバンクと国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)は今日11日、次世代電池を研究開発する「NIMS-SoftBank先端技術開発センター」の設置に関する覚書を締結した。両社は次世代電池「リチウム空気電池」の実用化に向けて共同開発を行なう。
スマホや電気自動車などは、とにかくバッテリーとの戦いだ。どれだけ大容量で長持ちし、さらに軽いことが求められる。さらに、ここ数年でIoTデバイスが増えており、あらゆるモノがインターネットに接続する時代になっていきている。電源がないところでも長時間に渡って動作しなければいけないモノもある。NIMS-SoftBank先端技術開発センターでは、リチウム空気電池を研究し、2025年頃を目途に実用化を目指す。
リチウム空気電池は空気中の酸素と化学反応することでエネルギーを生成し、これまでのリチウムイオン電池に比べて、重量エネルギー密度が5倍以上となる理論上究極の蓄電池と言われている。この電池が実用化すれば、さまざまなセンシングデバイスやウェアラブルデバイスはもちろん、ドローンやロボットなど、あらゆる産業への応用が期待できる。
ソフトバンクはリチウム空気電池の共同研究のほか、IoT時代に欠かせないさまざまな技術開発を加速させ、さらなる情報革命を進めていくとした。NIMSはソフトバンクと連携することで、基礎研究の成果が企業との実用化研究に結び付いた例とし「2025年までに大学・研究開発法人等に対する企業の投資額を2014年の水準の3倍とする」という政府目標に沿ったものと捉えている。
なお、今回共同研究をすることになったリチウム空気電池は、文部科学省委託事業「統合型材料開発プロジェクト」による基礎研究の成果を、国立研究開発法人 科学技術振興機構「先端的低炭素化技術開発プログラム‐特別重点領域『次世代蓄電池(ALCA-SPRING)』」で発展させたものを基にしているとのこと。
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