ついに第8世代コアを搭載したThinkPadの2018年モデルです~~
新ThinkPad X1 Carbon 試用レポート 8GコアとHDR液晶のフラッグシップ・モバイルPCなのだっ!!
レノボは1月のCESで公開していた新ThinkPadシリーズを日本でも2月1日に発表した.おなじみのX1からX、T、Lと全部で14モデルという、まさに全とっかえである.出荷が開始となった製品版のX1 Carbonを試用できたので、紹介していく.
働き方でPCを選ぶ
モバイルのTPは3モデルに
仕事のスタイルによって、PCもきちんと選びましょうということで、レノボは発表会で働き方別にThinkPadを分類した.
ThinkPadX1シリーズでいうと、Tabletが「フィールドワーカー」、Carbonが「モバイルワーカー」、Yogaが「ハイブリッドワーカー」向けということになる.
3世代目となった「X1 Tablet」は13型の3000×2000ドットという高解像度液晶を採用.SurfaceBookは13.5型で同じ解像度だから、X1 Tabletのほうがより精細な画面ということになる.
「X1 Yoga」のほうも登場から3世代目で、おなじみの液晶360度開脚で、重量1.4キロとちょっと重めでハイブリッドワーカー向けだ.
さて、われらモバイルワーカーのための「X1 Carbon」は2012年の登場から数えて、ついに6世代目となった.
当然の第8世代コアに
Dolby Vison HDRがスゴい
新ThinkPadX1 Carbonだが、ボディサイズや形状は2017年モデルと変わらない.昨年から採用された狭額縁デザインにより、14型液晶を搭載しながら13型クラスの床面積で、323.5×217.1×15.95ミリ.重量も変わらず1.13キロのままで、日本のモバイルPC基準でいうと14型とはいえちょっと重い.
天板のロゴまわりが変更となり,Lenovoという文字がなくなり、おなじみ赤いポッチが光る「ThinkPad」のロゴ(光沢エンブレム)と、その対角線上に「X1」のロゴが、こちらはプリントされている.
もちろんCPUは第8世代(8G)コアとなり、企業ユーザーのためにvProプロセッサー(i5-8350U)も指定することができる.メインメモリは最大16GB、SSDは最大1TBだ.
ディスプレイは14型の16対9比率を保持しており、ノンタッチのフルHDとWQHD(2560×1440ドット)、タッチのフルHDに加え、新しく「Dolby Vision HDR」という液晶が登場した.
HDRというのはもちろん「ハイダイナミックレンジ」の意味で、最高輝度は500nitと明るく、コントラスト比も高い.解像度はWQHD(2560×1440ドット)で、AdobeRGBカバー率100%を誇る.今回試用したのはこのHDRモデルで、液晶が点灯したとたんに「おっ明るい+鮮やか」というのは一目で感じる.ちょっと残念なのは、このHDR液晶の場合、表面が光沢なんですよね.これってちょっとThinkPad様としてはどうなんでしょうかねと.
キーボードまわりは変わらず
LTEモデムも選択可能に
キーボードは超静音で、トラックポイントのクリックボタン、そして昨年モデルから静かになったタッチパッドのボタンももちろん静かで、会議中にバキバキとPCを使って、うるさがられることはまったく心配ない.
キー配列も2017年モデルと同じで、F10がブルートゥース、F11がレノボセッティングの起動、F12は「☆」マークでユーザー定義キーである.PrtScキーはスペースバーの右並びにあり、Fnとの同時押しでWindowsのSnipingToolが起動する.
搭載している端子類の種類は変わらず、USBはタイプC×2とタイプA×2、そしてHDMIと、イーサネット拡張コネクターと、種類と数は2017年モデルと同じ.ただし、イーサネット拡張コネクターがHDMIの手前から、2つ飛び越えて、タイプCのとなりにジャンプした.
これは新しいドッキングステーションと合体するためで、「ThinkPadウルトラドッキングステーション」ではタイプC2つとイーサネット拡張コネクターの合計3端子で合体するカタチとなっている.
ステーションのほうにはDisplayPort1.4×2やVGAポート、旧来の四角形のACアダプター端子にたくさんのUSB端子が並ぶ.ほかにX280、T480/480s/580、L480/580が合体可能だ.
搭載しているマイクが360度の遠距離対応モデルとなり、モバイル会議でどこに座っていてもOKだそうで、なおかつ、米国モデルではアマゾンのAlexaさんと会話できるそうです.
液晶上部のWEBカメラには「ThinkShutter」というスライドドアを搭載しているので、使わない時にはカメラをキャップできます.シールを貼る必要もありません.Windows Hello対応の顔認証IRカメラを搭載した場合は、シャッターはつきません.
ベンチマークは最高レベル
HDR液晶はバッテリー食いかもね
CPUが7Gコアから8Gコアへと変わって、どれだけ速度が向上したのか、もちろんベンチマークテストを行ってみた.
まずはおなじみCinebenchR15で、前モデルのi7-7600U(2.6GHz=2コア)のCPU値は398.今回のi7-8550U(1.8GHz4コア)では651が出た.約64%の向上である.他社PCでは690近い値が出るマシンもあるが、高レベルであることは確かである.OpenGLの値は前モデル52から57へと約10%の向上に留まっているのだが、この57という値は、これまでベンチをとった8Gコア中で最高値である.
3Dmarkのほうも、旧モデルは7Gコアで初めてFirestrike値1000を超え1066をマークしたのだが、8Gコアでは1158を出した.こちらの最高値はいまのところVAIOの1181である.
SSDの速度を計測するCrystalDiskMarkでは、マルチシーケンシャルのリードで3408、ライトで2165と、当時最速だった前モデルの3121/1614を超えた.テスト機が搭載していたのはサムスンの「MZVLB512HAJQ」で、PM981シリーズの最新モデルである.
冷却ファンは本体裏側の右奥に設置されており、排気は本体の右側面から排出される.ベンチマークテストを連続して動作させると回るのだが、気になるようなノイズはない.ただし、最近のモバイルノートの多くは液晶側に排気を逃して拡散させるカタチなので、左右に座った人を直撃するのは珍しくなってきている.
搭載しているバッテリー容量は前モデルと変わらず57Whである.前モデルのカタログ値の動作時間は14.1~15.3時間(CPUにより)だったが、今回はi7で17.2時間、最大20.9時間となんだか伸びている(すべてJEITA2.0).
実際にBBenchでいつものとおり、LEDの明るさを最大にして、省電力OFFで計測したところ、ちょうど3時間駆動した.前モデルでは3時間30分稼働したのだが、今回の試用機はHDRモデルで、超高輝度なので、そのぶん動作時間が短くなってもおかしくない.レノボさんには、ディスプレイごとのバッテリー駆動時間を公開していただけるとありがたいのである.
充電のほうだが、付属のタイプC端子を搭載したアダプターは20V3.25Aの65W出力で、同じ条件で動作させながら、50%まで42分、70%までちょうど1時間、90%まで1時間28分と、これは8Gコアモバイルノートとして最高クラスの早さだった.
Tabletも気になるけど
Carbonこそフラッグシップ
X1の3兄弟は、前モデルではタブレットは完全に軽量方向で、Yogaにだけ有機ELディスプレイが選べて、なんだかCarbonはおいけきぼりな感じだったが、今回のHDR液晶はCarbonでも選択できる.フラッグシップに復帰した気分だ.
でも、実は今回気になるのはTabletで、デザインが独自型からSurfacePro型になり、そのうえ液晶が前モデルの12型(2160×1440ドット)から、3000×2000ドットの13型と大型化したので、とっても気になっている.
それから、3兄弟ともにLTEモデム内蔵モデルの発売はまだ先のようなので、WWAN必須なみんなたちはもうちょっと待ってくださいね.あ、ちょっとまってで思い出しましたが、CESでレノボが発表した「Thunderbolt 3 Graphics Dock」という製品.GeForce GTX 1050を内蔵した拡張ボックスで、IdeaPad 720s用ということだったけど、あれ、ThinkPad用として出してくださいおねがいします.
というわけで、マジメにモバイルノートとして使うにはやっぱりCarbonであり、HDRディスプレイの威力は絶大なので、ぜひその目で確かめてお買い求めくださいね.
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