『For 2 Akis』
Shinya Fukumori Trio
ミュンヘンを拠点に、ヨーロッパ各地で活動する日本人ドラマー、福盛進也のデビュー・アルバム。それも天下のECMからの発進だ。世界最高の透明度を誇るシベリアのバイカル湖のように、世界最高に透明なサウンドと称されるECM。
本作も、圧倒的な透明度と細部までの磨き込みの鋭さは、やはり現代屈指だ。ピアノ、サックス、ドラムス(フューチャーアーチストの福森)のトリオだが、各楽器の音像的、音質的な立ち方のシャープなことには刮目だ。3曲目「Ai San San=愛燦燦」の音が透明に重なる部分は、まさにECMの有り難み。ECMはハイレゾで、よりECM的(?)になる。
FLAC:88.2kHz/24bit
ECM、e-onkyo music
和製SOUL歌手、Hanah Spring(ハナスプリング)の最新ハイレゾ。1曲目、Dreamin'(living in a dream)は、ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムスというコンパクトな編成だが、各要素の音像が大きく、明瞭に輪郭を確保している。音の進行力が強く、音が手前に向かってどび出してくる飛翔力もリッチだ。
2曲目、Diana(I don't wanna stop)はベースとドラムスのひきずるような重量感も上手く表現されている。11曲目「君の居る場所」のボーカルは、フレージングが明確で、感情が豊か。音の粒子が大きく、その重量感が本アルバムの音調的な特徴だ。
FLAC:48kHz/24bit
WAV:48kHz/24bit
TOKYO RECORDS、e-onkyo music
絢香がライブのみで歌っていた卒業ソング「サクラ」が、ファンの声に応えてシングル化された。そのハイレゾバージョンで、しっとりと濃密な音だ。いわゆるJ-POP的な中域強調型ではなく、ハイファイ用途にも十分使える、音調的なバランスの佳さだ。音的なボーカルの表情がとてもいい。過度な輪郭強調や、テンション過多ではないが、でもサビの盛り上がりでは、音数の増加と共に感情もストレートに増える。曲の良さと録音の良さが高い次元でバランスしている。
FLAC:96kHz/24bit
WAV:96kHz/24bit
A stAtion、e-onkyo music
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります