電子点字書籍リーダーやスマホの画面点滅でロック解除など、MWCで発見のスタートアップのデバイス
MWC 2018は本会場のFira Gran Viaのほか、Fira Montjuicにて併設イベントの4YFNが行なわれている。4YFNはスタートアップ向けのイベントで、ハードウェアからソフトウェア、ネットサービスなどが展示されている。その4YFNで見かけた気になるデバイスをピックアップしてみた。
点字の世界でも電子書籍化「BraiBook」
「BraiBook」は、目の不自由な人のための電子点字書籍リーダー。片手で握るスティック型で、本体の先端には点字用の8つ(2×4)の小さな突起が並んでおり、上下に動くことで点字を切り替えられるようになっている。対応するファイルはPDFとePUB、テキストデータで、本体の内蔵メモリーかmicroSDカードスロットに保存すると、自動で点字データに変換される仕組みだ。
従来の点字本は、印刷も特殊でコストもかかるため、ニッチなジャンルの本は点字本にはなりにくく、目の不自由な人は読める本がどうしても少なくなってしまう問題がある。その点、「BraiBook」なら一般的な電子書籍と同じePUBのフォーマットが読み込み可能なので、あらゆる本を点字本化できることが期待できる。
本体の左側面にはコントロール用のスティックがあり、文字を表示するスピードを調節したり、文字の早送りといった操作が可能だ。
価格は395ユーロ(約5万2000円)で販売中。残念ながら現状ではアルファベットのみ対応。日本語をはじめとする2バイト文字には対応していない。現地での説明によると、2バイト文字への対応も難しくないとのこと。
スマホの画面を点滅してロックを解除する
新発想のスマートロック「LightBee」
「LightBee」は、VLC(可視光通信、Visible Light Communication)を使ったソリューションを提供している企業。ブースでは、スマートフォンと連携したVLCの施錠システムを展示しており、専用アプリを起動させると、スマートフォンの画面が点滅。スマートフォンのディスプレーをドアに取り付けてある受光センサーに近づけるとロックが解除できる仕組みだ。
スマートロックなどとも呼ばれるこの種の機器では、NFCなどが使われることもあるが、スマートフォンの中にはNFCの機能を搭載していない端末も少なくない。その点VLCならスマートフォンの画面を点滅させるだけなので、機種依存がなくほぼすべてのスマートフォンで利用できるのが利点だ。
応用手段としては、会員制のレンタルオフィスなどの施錠や、自動車や自転車のシェアリングエコノミーなど、鍵の受け渡しが必要なサービスでアプリをダウンロードしてもらえば手間が省ける。鍵の書き換えも容易なので安全に運用できるのもポイントだ。
バッテリー駆動のポータブルな空気洗浄機「Clair B2」は
Bluetoothスピーカーにもなる
「Clair B2」は、バッテリー駆動で大きさも持ち運びに便利な小型の空気清浄機。本体サイズは魔法瓶の水筒程度で、連続駆動時間は2時間半となっている。また本体上部の送風口は回せるようになっており、さらに送風口の接着面がななめになっているので、回転させると送風の向きを変えられる。
またBluetooth機能との接続にも対応しており、外部スピーカーとして利用可能。スーツケースなどに入れておけば、旅先で綺麗な空気と音楽が楽しめる。また専用のスマートフォン用アプリも用意されており、天候や状況に合わせた選曲にも対応している。
現在Kickstaterにて出品しており、109ドルから投資者を募集している状態。現地での説明によると、Kickstarterの終了後は、日本のMakuakeにも登録予定とのこと。日本からも手軽に購入できるよう期待したい。
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