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フードコートの景色が変わるシャープとセイコーの自動注文システム

2018年03月05日 09時00分更新

 2018年2月に、インバウンド市場イベント「インバウンドマーケットEXPO2018」と同時開催された第46回「国際ホテル・レストラン・ショー」において、シャープマーケティングジャパン株式会社がセイコーソリューションズ株式会社との合同ブースを出展。セルフ注文機やPOSなどシャープマーケティングジャパンが持つ技術と、厨房側の注文管理システムなどセイコーソリューションズを組み合わせたレストラン向けのトータルソリューションを提案した。

飲食店の省力化に向けてあらゆる角度からアプローチ

 ブースの中でも大きな画面で目立っていたのは、セルフ会計システム。スーパーマーケットのセルフレジのように、飲食店の会計を客自身が行なうものだ。

現金、ICカードなどに対応するセルフ精算機(参考出品)

 最近はPOSが浸透していて、客席に置かれる注文伝票にはバーコードがついている。これをレジで読み込んで店員が会計するのが一般的だが、混雑する時間帯にはレジに人員を割くのはもったいない。今回参考出品されたセルフ精算機を使えば、客自身が注文伝票のバーコードを読み込ませ、清算できる。支払いオプションは店舗によって変わると思うが、製品としては現金の他にクレジットカードや交通系ICカードなどのプリペイドカードにも対応できるようにラインナップを揃える予定とのこと。

 シャープマーケティングジャパンではセルフサービス方式のガソリンスタンドで使われる注文機や釣り銭精算機も提供しており、筐体にはそれらのパーツやノウハウが活かされている。屋外で雨にさらされる環境に耐える強度を持っており、水濡れの恐れがある飲食業でも安心して利用できる。

工場内の自動搬送機を飲食業向けにカスタマイズした製品も(参考出品)

 また、フードコートなど面積の広い店舗で活躍しそうなのが、自動搬送機だ。料理を自動搬送し、食べ終わった食器を載せて戻ってくる。こちらも工場で部品や半製品の運搬を担う搬送機を作ってきた経験をベースに、人間が行き交う場所でも安全に走行できるようチューニングされている。

注文から料理出しまでをトータルで自動化、店頭1人減を狙うソリューションも

 シャープマーケティングジャパンとセイコーソリューションズのブース中央に大きく展開されていたのは、両社の協業で構築された飲食店向け自動注文システム。大手ショッピングモールのフードコートなどをターゲットに、注文時の省力化を徹底的に突き詰めた。

シャープマーケティングジャパンとセイコーソリューションズとの協業で生まれたトータルソリューション

 新ソリューションの持つ特長は大きく3つ。個別に見ると既存技術の発展系でしかないと感じるが、組み合わさることにより大きな効果を発揮する。

 1つ目は、注文すると自動的に厨房に調理指示が送られること。これはタッチパネル式の画面に表示される。2つ目のポイントは、注文機から食券と同時に呼び出し機が払い出されること。従来は店員がカウンターで食券を受け取り、無線式の呼び出し機を客に手渡していた。そのうえで注文を厨房に伝える。これら一連の動きが自動化されるため、客は注文後にカウンターへ足を運ぶ必要がなくなり、店舗側はカウンターで注文を受ける必要がなくなる。

呼び出し機の自動払い出し機能を備える注文端末(参考出品)

 3つ目のポイントは、厨房の調理指示端末と呼び出し機の連動だ。料理が完成した注文分についてタッチパネル端末を操作すると、注文に日も付く呼び出し機が鳴動する。注文時に呼び出し機と調理指示とを結びつけることで実現し、料理受け渡しをスムーズにできる。

 食券の受け取りや呼び出し機の受け渡し、調理終了時の呼び出しが自動化されれば、店舗側はカウンターに人員をひとり張り付けておく必要がなくなる。一店舗で導入しても効果はあるだろうが、ショッピングモールがこうした省力化を前提にテナントを募集すれば、出店先としての魅力が高まるのではないだろうか。

 また、シャープマーケティングジャパンとセイコーソリューションズとの協業により、これら一連の仕組みの裏では販売データの収集ももちろん行なわれている。従来のPOS同様にデータ分析が可能な上に人員1人減を狙えるトータルな自動化提案となっていた。

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