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シリーズ10周年:

激辛ストロング 新「辛辛魚」は力強さが違う

2018年01月31日 19時00分更新

 「変わらないおいしさ」などと言いますけれども、いつまでも同じ味であり続けることは、進化が止まる原因にもなりかねない。かといって、今までのテイストを安易に捨てるのも難しい。既存のよさを残しつつ、いかに新しいものを加えていくべきか。

 寿がきや食品は「麺処井の庄監修 辛辛魚らーめん」を1月29日から発売します。内容量は137g(めん75g)。価格は280円前後。

 東京石神井のラーメン店「麺処井の庄」が監修、その強烈な辛さで根強いファンを持つカップめんです。毎年リニューアルを重ねており、今年でシリーズ10周年を迎えます。2018年は、全粒粉配合めんはそのままにスープと辛魚粉を増量し、より力強く仕上げたとのこと。

 めんは全粒粉を配合した、コシと弾力があるというノンフライ太めん。辛口豚骨醤油スープは、豚骨ベースの動物系スープに特製ラー油を加えています。シリーズ恒例の、唐辛子と鰹荒節の特製あとのせ辛魚粉が別添します。

10周年記念のロゴ

辛辛魚名物、「辛いものが苦手な方はご注意ください」注意書き

まずスープの素を入れてお湯を注ぎ、食べる直前に液体スープと後入れ粉末スープを入れます

スープの素と液体スープを入れた時点でめっちゃ辛そう

さらに後入れ粉末を入れる。辛そう

よくかき混ぜる。辛そう

ぜったい辛そう

 キャプションが「辛そう」ばかりで、それでも編集者なのかと言われそうですし、書いている筆者としても「もう少し別のフレーズはないものだろうか」と思いはします。しかし、あざやかすぎる赤い色も、鼻孔をつつく香りも、辛そうと表現する以外にない。いま気づきましたが、本記事の見出しも「辛」という文字が3つもありますね。それだけ辛いわけです。

自分であてたバリカンの適当さに定評のある筆者が実食

「ああでもそんな……ゴッフ!」

「やっぱり辛いでしょうよ」

 食べました。辛いです。とはいってもただ辛いだけでなく、豚骨のコクもあるところが辛辛魚の特徴。今回はスープと辛魚粉を増量したことで、より舌の上に「ガツン!」とくる味になっています。いままでの「旨辛」路線を維持しつつ、インパクトを増した感じといいましょうか。

 いたずらに辛さをあげるのではなく(そもそも以前から辛いわけで)、魚粉の香りを強くしたテイストに仕上がっています。全粒粉を配合したノンフライ太めんも注目。めんに激辛スープがしっかりなじむので、すするだけでもスープが喉を直撃します。だから余計に辛いわけです。食べている間、かなりむせました。

 逆に言うと、魚粉と豚骨のあわせ技でかなり押し出しの強い味わいになっているので、辛さというよりは「くどい」という点で敬遠する人がいるかもしれません。あっさりしたシンプルな辛さが好きな人には、少し不向きかと。

家電担当の盛田さん。一児の父。守るものができたためか、「あまり刺激の強いものは食べたくない」と及び腰でした

「いただきま……ウグッ」

「辛い! ぜったい辛い!」

盛田さん「辛い! わかりきっていたけど辛いぞ。辛さの中に確かに豚骨とか魚粉とか、辛いだけじゃない要素はあるんですよ。そこを認めた上でなお圧倒的に辛い。一口目なら『辛いけどいけるかな』と思うけど徐々に口の中に辛さゲージが蓄積されている感じ。旨辛というより旨辛辛辛辛辛ぐらいです」

進行管理の西牧さん。編集部で一番辛いものに強い

「おいしいです」

西牧さん「あー、ちゃんと辛いですよ。喉がチリチリとする刺激があります。辛辛魚は単純に辛いだけじゃなくて、魚粉の味わいがあるのがいいですよね。リニューアルして前よりも味がしっかりしてきた分、ライスとかと一緒に食べるほうがいいかもしれませんね」

 味覚とは、味覚受容体細胞にとって適刺激(感覚器がそれぞれ特異的に感知する刺激)である苦味、酸味、甘味、塩味、旨味の5種を指すそうです。すなわち辛味はその中に当てはまらず、舌・口腔で感じる痛覚がその正体なのだとか。

 やみくもに辛くしたいだけなら、刺激物を増せばいいわけです。しかし辛辛魚が目指すのは、あくまで「旨辛」。魚粉と豚骨の旨味、めんの食べごたえをプラスして、しっかりと「辛く、おいしく」を目指している姿勢は不変。その上で、辛魚粉の増量も確かに感じられる、意欲的なリニューアルになっています。

 あ、いまさらですが、ほんとうに辛いので、気をつけて食べてください。


モーダル小嶋

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。ショートコラム「MCコジマのカルチャー編集後記」ASCII倶楽部で好評連載中!

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